「40代で転職を考えているけど、職務経歴書をどう書けばいいのかわからない。今までの経験をうまくアピールする方法を知りたい!」
40代の転職では、豊富な職務経験をどのように表現するかが重要です。ですが、アピールポイントが多すぎて、かえって何を書けばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
・職務経歴書で40代ならではの強みをどうアピールすればいいの? ・経験が多すぎて、どの内容を書けばいいかわからない ・年齢的なハンデを克服する書き方を知りたい
そこで今回は、40代の方が職務経歴書を書く際の効果的なアピール方法について詳しくお伝えしていきます!
40代の職務経歴書作成で押さえるべき3つのポイント
まず、40代の方が職務経歴書を作成する際に意識すべきポイントについてお話ししていきます。
具体的には以下の3つが重要です。
1. 豊富な経験を活かした具体的な実績の記載
40代最大の強みは、これまでの職務経験で培ってきた実績です。以下に、業界別の具体的な記載例をご紹介していきます。
【営業職の場合】
・新規開拓営業を強化し、前年比120%の売上を達成(2022年度)
・営業部門のKPI管理体制を刷新し、商談成約率を35%から48%まで向上
・新規顧客開拓数を月間平均15社から25社に増加
・若手営業担当5名の育成を担当し、全員の売上目標達成に貢献
【IT・エンジニア職の場合】
・年間予算3億円規模の基幹システム刷新プロジェクトをリード
・20名規模の開発チームをマネジメントし、納期前倒しでの納品を実現
・障害対応時間を平均30%削減する運用改善を実施
・アジャイル開発手法を導入し、開発期間を従来比40%短縮
【人事職の場合】
・新卒採用活動の効率化により、採用コストを前年比25%削減
・研修プログラムを刷新し、新入社員の1年目定着率を85%から95%に向上
・従業員満足度調査を導入し、社員満足度を15ポイント改善
・人事評価制度の改定により、社員のモチベーション指標が20%向上
2. マネジメント経験の効果的な表現
40代の方の多くは、何らかのマネジメント経験を持っているはずです。以下に、効果的なマネジメント経験の記載例をご紹介していきます。
【製造業でのマネジメント経験例】
・工場の生産ライン責任者として30名の従業員をマネジメント
・生産効率化プロジェクトを主導し、年間で製造原価を15%削減
・品質管理体制の見直しにより、不良品率を1.2%から0.3%に改善
・5S活動を推進し、作業効率を平均20%向上
【小売業でのマネジメント経験例】
・売場面積300坪、従業員数45名の大型店舗の運営を統括
・アルバイトスタッフの採用・教育体制を確立し、離職率を半減
・在庫管理システムを導入し、在庫回転率を1.5倍に改善
・接客サービス向上施策により、顧客満足度を90%以上に向上
【サービス業でのマネジメント経験例】
・50名規模のコールセンターの運営責任者として従事
・クレーム対応時間を平均30%短縮する業務改善を実施
・新人研修プログラムを開発し、研修期間を2ヶ月から1ヶ月に短縮
・顧客満足度調査でセンター評価を前年比20%向上
3. 専門性と汎用的スキルのバランス
長年の経験で培った専門知識やスキルは、40代の大きなアピールポイントです。以下のような点を意識して記載していきましょう。
・業界特有の専門知識や資格 ・特定の技術やツールの熟練度 ・プロジェクトでの具体的な成功事例 ・専門分野での社外活動(セミナー登壇、執筆活動など)
職務経歴書作成時の具体的なテクニック
ここからは、実際の職務経歴書を作成する際の具体的なテクニックについてお伝えしていきます。
以下に、40代の方の職務経歴書の基本的な構成例をご紹介します。
■ 職務経歴書
【基本情報】
氏名:山田 太郎
生年月日:1980年4月1日(43歳)
最終学歴:○○大学 経済学部 経済学科 卒業
【保有資格】
・中小企業診断士(2015年取得)
・TOEIC 850点(2022年取得)
・ITパスポート(2020年取得)
【職務要約】
製造業において15年以上の営業経験を有し、うち8年間は営業マネージャーとして組織マネジメントに従事。新規開拓から既存顧客管理まで、幅広い営業活動の経験と実績を持つ。近年はデジタルマーケティングも取り入れ、オンライン商談の導入など、新しい営業スタイルの確立にも注力。
【職務経歴】
2010年4月~現在 株式会社○○製作所
■ 営業部マネージャー(2015年4月~現在)
・30名規模の営業部門のマネジメントを担当
・新規顧客開拓戦略の立案・実行により、部門売上を3年で150%に拡大
・営業DX推進プロジェクトを主導し、商談のオンライン化を実現
・若手営業担当の育成プログラムを確立し、早期戦力化を実現
■ 営業担当(2010年4月~2015年3月)
・主要取引先における売上を前年比120%に拡大
・新規開拓により、年間30社の新規取引を獲得
・営業部門MVP賞を2度受賞
よくある質問と対処方法
40代の方の職務経歴書作成に関して、よく寄せられる質問とその対処方法についてお伝えしていきます。
Q1:長い職務経歴をどのようにまとめればよいですか?
以下のような形でまとめることをおすすめします。
【20年間の営業経験を持つ方の例】
■ 職務経歴サマリー(冒頭に記載)
製造業における20年の営業経験を有し、うち10年は営業管理職として従事。近年は新規事業の立ち上げにも携わり、0から100億円規模の事業に成長させた実績を持つ。
■ 詳細な職務経歴
2015年4月~現在 株式会社○○製作所
新規事業部門立ち上げ~成長フェーズを統括
・新規事業の企画立案から実行まで一貫して担当
・3年で売上100億円規模まで成長させる
・30名規模の組織のマネジメントを実施
2010年4月~2015年3月 同社
営業部マネージャーとして既存事業の拡大に注力
・年間売上50億円規模の営業部門をマネジメント
・主要取引先における取引額を3年で2倍に拡大
Q2:年齢によるハンデをどのように克服すればよいですか?
40代特有の強みを前面に出す形で記載することをおすすめします。
【強みの記載例】
■ 豊富な実務経験と専門性
・製造業における15年の実務経験
・業界特有の商習慣や規制に精通
・取引先との強固な信頼関係を構築
■ マネジメント能力
・最大50名規模の組織のマネジメント経験
・年間予算30億円規模のプロジェクト管理実績
・リモートワーク体制の構築・運用経験
■ 変化への適応力
・デジタルマーケティングの導入・推進
・新規事業の立ち上げ実績
・グローバル展開のプロジェクト経験
業界別・職種別の記載例
主要な業界・職種別の記載例をご紹介していきます。
経理・財務職の経歴書例
■ 職務経歴サマリー
経理・財務の実務経験15年。連結決算業務、企業のIPO支援、M&A案件の財務DD(デューデリジェンス)など、幅広い業務経験を有する。
■ 主な実績
・連結決算の業務効率化により、決算期間を5日短縮
・IPOプロジェクトを成功に導き、新規上場を実現
・経理部門20名のマネジメントを担当
・財務戦略の立案により、有利子負債を30%削減
■ 保有資格
・公認会計士(2010年登録)
・税理士(2012年登録)
・米国公認会計士(2015年登録)
マーケティング職の経歴書例
■ 職務経歴サマリー
デジタルマーケティングを中心に15年の実務経験。近年は統括責任者として、全社的なマーケティング戦略の立案・実行を担当。
■ 主な実績
・デジタルマーケティング施策により、EC売上を前年比200%に拡大
・顧客データ分析基盤の構築により、LTVを30%向上
・マーケティングチーム15名のマネジメント
・広告費用対効果を50%改善
■ 専門性
・デジタルマーケティング戦略の立案・実行
・データ分析に基づくマーケティング施策の実施
・クロスチャネルマーケティングの推進
面接での想定質問と回答例
職務経歴書に関連して、面接でよく聞かれる質問とその効果的な回答例についてもご紹介していきます。
Q1:なぜ今回の転職を考えているのですか?
【良い回答例】
「これまで15年間、製造業の営業として経験を積んできました。その中で、新規事業の立ち上げやチームマネジメントなど、様々なチャレンジをさせていただき、大きな成果を上げることができました。
現在は、これまでの経験を活かしながら、よりグローバルな環境で新しい挑戦をしたいと考えています。御社は海外展開を積極的に進められていると伺っており、私の経験を活かせる場面が多くあるのではないかと考えました」
【良い点】
・具体的な経験年数と実績に触れている
・建設的な理由を述べている
・転職先での具体的なビジョンを示している
Q2:年齢的な不安はありませんか?
【良い回答例】
「むしろ40代だからこそ、即戦力として貢献できると考えています。これまでの経験で培った専門知識やマネジメントスキル、そして人的ネットワークは、新しい環境でも大きな強みになると確信しています。
実際、前職では新規事業の立ち上げに携わり、0から100億円規模のビジネスに成長させた実績があります。また、デジタルマーケティングの導入など、新しい取り組みにも積極的にチャレンジしてきました」
【良い点】
・年齢を強みとして捉えている
・具体的な実績で裏付けている
・新しいことへの適応力も示している
Q3:長期的なキャリアプランを教えてください
【良い回答例】
「短期的には、これまでの営業とマネジメントの経験を活かし、御社の営業部門の業績向上に貢献したいと考えています。特に、新規顧客開拓とチーム育成の面で、即戦力として価値を提供できると考えています。
中長期的には、グローバル展開や新規事業開発などの分野で、経営幹部として会社の成長に携わっていきたいと考えています。そのために、必要なスキルや知識の習得にも積極的に取り組んでいく所存です」
【良い点】
・具体的な貢献イメージを示している
・会社の成長と自身の成長を紐付けている
・意欲的な姿勢を示している
職務経歴書作成時の注意点
最後に、職務経歴書作成時の注意点についてお伝えしていきます。
1. 避けるべき表現
■ 抽象的な表現は避ける
×:頑張りました
○:売上を前年比120%に向上させました
×:色々な経験をしました
○:3つの新規プロジェクトを成功に導きました
×:うまく対応できました
○:クレーム件数を前年比50%削減しました
2. 数値化のポイント
・組織の規模:○名体制
・予算規模:○億円規模
・成果指標:前年比○%向上
・期間:○ヶ月で達成
3. 読みやすさの工夫
・重要な実績は箇条書きで示す
・時系列は逆順で記載する
・見出しを効果的に使用する
・適度な空白を設ける
まとめ:40代だからこそ活かせる強みを最大限にアピール!
職務経歴書作成において、40代の方は豊富な経験を強みとして最大限にアピールすることが大切です。以下のポイントを特に意識して作成していきましょう。
1. 具体的な数値実績の提示
・売上・利益の向上率 ・コスト削減額 ・チーム規模や予算規模 ・業務効率化の成果
2. マネジメント経験の具体的な記載
・組織規模と役割 ・プロジェクトの成果 ・人材育成の実績 ・危機管理の経験
3. 専門性と柔軟性のアピール
・業界知識や専門スキル ・新技術への適応力 ・変革の推進実績 ・グローバル経験
4. 今後のキャリアビジョンの明示
・具体的な貢献イメージ ・成長への意欲 ・組織への価値提供
40代という経験豊富な年齢だからこそ、即戦力として活躍できる強みがあります。これまでの経験を具体的な数値や事例で示しながら、新しいことへのチャレンジ精神も備えていることをアピールしていきましょう。
ぜひこれらのポイントを意識しながら、あなたの強みを最大限に活かした職務経歴書を作成してみてください!