
「発酵バターと非発酵バターって何が違うの?お菓子作りでどう使い分けたらいいのかわからない……」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
バターの種類によってお菓子の仕上がりは大きく変わるのです。しかし、どのバターをどのお菓子に使えば良いのか、代用は可能なのか迷ってしまう方も多いでしょう。
この記事では、発酵バターと非発酵バターの違いから具体的な使い分け方法、さらにプロも実践している活用テクニックまで分かりやすくお伝えしていきます。また、保存方法や買い方のコツも併せてご紹介するので、きっとバター選びがもっと楽しくなりますね!
発酵バターと非発酵バターの違いとは?お菓子作りにどう影響するのか
まずは、発酵バターと非発酵バターの基本的な違いについてお話ししていきます。
実際に、この2つのバターには製造方法に大きな違いがあり、それぞれ異なる魅力を持っているのです。そのため、お菓子の種類によって使い分けることで、いつものお菓子がグンと美味しくなります。
発酵バターの特徴(乳酸菌発酵による香りとコク)
発酵バターとは、クリームを乳酸菌で発酵させてから作るバターのことです。
なぜなら、発酵過程で乳酸菌が糖分を分解し、独特の酸味と深いコクを生み出すからです。この発酵によって、普通のバターにはない豊かな香りと複雑な味わいが楽しめます。
具体的には、ナッツのような香ばしさとほのかな酸味が特徴的。また、発酵バターを使ったお菓子は、より深い味わいと上品な風味に仕上がるのです。
実際に、ヨーロッパでは古くから愛用されており、特にフランス菓子には欠かせない存在となっています。
非発酵バターの特徴(すっきりとした味と使いやすさ)
一方で、非発酵バターはクリームを発酵させずに作るバターのことです。
発酵工程がないため、クリーム本来のすっきりとした味わいが楽しめます。そのため、素材の風味を邪魔することなく、どんなお菓子にも合わせやすいのが魅力。
たとえば、抹茶や紅茶、チョコレートなど繊細な風味を活かしたいお菓子にはぴったりです。さらに、クセが少ないのでお菓子作り初心者の方でも扱いやすく、失敗しにくいのも嬉しいポイントといえるでしょう。
ちなみに、日本で一般的に販売されているバターの多くは、この非発酵バターにあたります。
有塩・無塩バターの違いとお菓子への影響
さらに、バターには塩分の有無による違いもあります。
お菓子作りでは基本的に無塩バターを使うことが多いのです。なぜなら、レシピ通りの味に仕上げるためには、塩分量をコントロールできた方が安心だからです。
ただし、有塩バターを使う場面もあります。具体的には、キャラメルや塩系スイーツなど、塩味をアクセントにしたいお菓子では有塩バターが活躍してくれるのです。
なお、有塩バターを使う際は、レシピの塩分量を調整することをおすすめします。一般的に、有塩バターには約1.5%の塩分が含まれているため、この分を計算に入れてみてください。
お菓子別・バター使い分け早見表|クッキー・マドレーヌ・フィナンシェ・タルト
続いて、具体的なお菓子ごとのバター使い分けをご紹介していきます。
実際のところ、お菓子の種類によって最適なバターは変わってくるのです。そこで、代表的なお菓子について、どのバターを選べば良いのか詳しく取り上げていきましょう。
香りを引き立てたい焼き菓子(サブレ・フィナンシェ・マドレーヌ)には発酵バター
サブレ、フィナンシェ、マドレーヌなどの焼き菓子には発酵バターがおすすめです。
なぜなら、これらのお菓子は、バターの風味が直接味に影響するため、発酵バターの豊かな香りとコクがとても活かされるからです。特に、焼き上がりの香ばしさと発酵バターの風味が絶妙にマッチします。
実際に、高級洋菓子店では発酵バターを使っているところがとても多いのです。また、フィナンシェのように「焦がしバター」を使うお菓子では、発酵バターを使用することでより複雑で上品な味わいになります。
このように、プレーンなクッキーやサブレでも、発酵バターを使うだけで風味がグンとアップするのです。
素材の風味を生かしたいお菓子(抹茶・紅茶・チョコ系)は非発酵バター
抹茶、紅茶、チョコレートを使ったお菓子には非発酵バターを選んでみることをおすすめします。
なぜなら、これらの繊細な風味を活かすためには、バター自体の主張が控えめな方が良いからです。発酵バターの独特な風味が、せっかくの素材本来の味を打ち消してしまう可能性があります。
たとえば、抹茶クッキーや紅茶のマドレーヌ、チョコレートケーキなどは、非発酵バターを使うことで素材の特徴がより際立つのです。さらに、フルーツを使ったタルトやパイ生地にも、非発酵バターが合います。
つまり、主役となる素材がある場合は、脇役として控えめなバターを選ぶのがコツなのです。
有塩バターを使うときの注意点(塩分調整の目安)
有塩バターを使用する際は、塩分量の調整が必要になってきます。
一般的に、有塩バターには100gあたり約1.5gの塩分が含まれているのです。そのため、レシピで無塩バター100gと塩ひとつまみ(約0.5g)と書かれている場合、有塩バター100gに置き換える際は追加の塩は入れなくて大丈夫。
ただし、塩キャラメルクッキーやソルティッドバタークッキーなど、塩味をアクセントにしたいお菓子では、有塩バターの塩分をうまく活用できます。この場合は、全体の塩分バランスを考えながら調整してみてください。
また、有塩バターは保存がきくという嬉しいメリットもあるため、長期保存したい場合にも便利でしょう。
発酵⇄非発酵・有塩⇄無塩の代用は可能?仕上がりの違いと注意点
ここからは、バターの代用についてお話ししていきます。
手元にあるバターがレシピと違う場合、代用できるのか気になりますよね。そこで、どのような点に注意すれば良いのか、具体的に見ていきましょう。
発酵⇄非発酵の置き換えは同量で可能?風味はどう変わる?
発酵バターと非発酵バターの置き換えは、基本的に同量で大丈夫なのです。
なぜなら、両者の基本的な性質(水分量や油脂含有率)はほぼ同じなので、お菓子の構造や食感に大きな影響はないからです。安心して置き換えてみることをおすすめします。
ただし、風味には明確な違いが現れるのです。発酵バターを非発酵バターに置き換えた場合、独特のコクや酸味がなくなって、よりあっさりとした仕上がりになります。
一方で、非発酵バターを発酵バターに置き換えると、より豊かな風味と深みのある味わいになるでしょう。お菓子をワンランクアップさせたい際は、発酵バターへの置き換えがおすすめです。
有塩を使うときに塩分を減らす方法
有塩バターを無塩バターの代わりに使う場合は、レシピの塩分量を調整してみることが大切です。
具体的には、有塩バター100gを使用する場合、レシピの塩分を約1.5g減らすと良いでしょう。もしレシピに塩の記載がない場合は、そのまま有塩バターを使用しても問題ありません。
また、塩分を正確に計算したい場合は、キッチンスケールを使って細かく測定することをおすすめします。特に、繊細な味付けが大切なお菓子では、塩分の調整が仕上がりを大きく左右することもあるのです。
逆に、無塩バターを有塩バターの代わりに使う場合は、追加で塩を加えてみてください。
代用による失敗例とその対処法
代用する際によくある失敗例とその対処法をご紹介していきます。
一番多い失敗は、塩分調整を忘れてしまうことです。有塩バターを使ったお菓子が予想以上にしょっぱくなってしまうケースがあります。次回からは塩分量を計算して調整してみることをおすすめします。
さらに、発酵バターの風味が強すぎて、繊細な素材の味を消してしまうこともあるのです。たとえば、抹茶クッキーに発酵バターを使って、抹茶の風味が感じられなくなってしまったという例もあります。
このような失敗を避けるためには、お菓子の特徴と使用する素材を考えてバターを選ぶことが重要。初心者の方は、まずはレシピ通りのバターを使って、慣れてから代用を試してみることが大切です。
プロも実践する!発酵バターを活かすコツと相性の良い素材
ここからは、発酵バターを最大限に活用するテクニックをお話ししていきます。
プロのパティシエも実践している方法を取り入れれば、家庭でもワンランク上のお菓子が作れるのです。そこで、発酵バターの特性を理解して、上手に活用してみましょう。
焦がしバター(ブール・ノワゼット)で香りを最大化する
発酵バターの香りを最大限に引き出したい際は、焦がしバター(ブール・ノワゼット)にする方法がおすすめです。
焦がしバターとは、バターを加熱してナッツのような香ばしい香りを引き出したもの。なぜなら、発酵バターで作る焦がしバターは、普通のバターよりもさらに複雑で深い香りになるからです。
作り方はとても簡単。鍋に発酵バターを入れて中火で加熱し、泡が出て薄い茶色になるまで混ぜながら加熱するだけです。ただし、焦げすぎないよう注意してみてください。
このように、フィナンシェやマドレーヌに使うと、プロ顔負けの仕上がりになります。
発酵バターと相性の良い素材(ナッツ・キャラメル・ドライフルーツ)
発酵バターと特に相性が良い素材をご紹介していきます。
まず、ナッツ類との組み合わせは本当に絶品なのです。なぜなら、アーモンド、ヘーゼルナッツ、クルミなどは、発酵バターの香ばしさと絶妙にマッチするからです。キャラメルとの相性も抜群で、塩キャラメルタルトなどでは発酵バターの酸味がキャラメルの甘さを引き立ててくれます。
さらに、ドライフルーツとも素晴らしい組み合わせになるのです。特に、レーズンやドライフィグ、ドライアプリコットなど酸味のあるドライフルーツは、発酵バターの風味と本当によく合います。
このように、これらの素材と組み合わせることで、発酵バターの魅力をより効果的に活かせるでしょう。
素材の風味を邪魔しない使い分けの工夫
発酵バターを使う際は、他の素材との調和を考えることも大切なのです。
たとえば、バニラエッセンスと組み合わせる場合は、発酵バターの風味がバニラの香りを引き立ててくれる効果があります。一方で、柑橘系の素材と組み合わせる際は、発酵バターの酸味が柑橘の酸味とケンカしないよう気をつけてみることをおすすめします。
また、チョコレートと組み合わせる場合は、ビターチョコレートとの相性が抜群です。なぜなら、発酵バターのコクがチョコレートの苦味をマイルドにして、より複雑な味わいを生み出してくれるからです。
このように、各素材の特徴を理解して組み合わせることで、発酵バターの魅力を最大限に引き出せます。
発酵バターの保存・買い方ガイド|小分け冷凍・ブランド選びまで解説
最後に、発酵バターの保存方法と購入時のポイントについてお話ししていきます。
実際に、発酵バターは普通のバターよりも風味が繊細なので、適切な保存方法を知っておくと安心です。そのため、どのブランドを選ぶかによっても仕上がりが変わるので、特徴を理解して選んでみることをおすすめします。
開封後に香りを保つ保存方法(冷蔵・冷凍の使い分け)
発酵バターの香りを保つためには、適切な保存方法が欠かせないのです。
開封後は密閉容器に入れて冷蔵保存するのが基本。なぜなら、発酵バターは酸化しやすくて、空気に触れると風味が落ちてしまうからです。また、他の食材の匂いを吸収しやすいので、必ず密閉することをおすすめします。
1週間以内に使い切る場合は冷蔵保存で十分ですが、長期保存したい場合は冷凍保存が良いでしょう。冷凍保存なら2〜3ヶ月程度は品質を保てます。
ただし、冷凍保存する際は小分けにしておくと、使いたい分だけ解凍できてとても便利です。
小分け冷凍の手順と解凍のコツ
発酵バターの小分け冷凍について詳しく説明していきます。
まず、バターを使いやすい大きさ(50g程度)にカットしてみてください。次に、ラップで個別に包んで、さらにジップロックなどの密閉袋に入れて冷凍庫で保存するのです。この二重包装で、冷凍焼けや匂い移りを防げます。
解凍する際は、使用する前日に冷蔵庫に移して自然解凍するのがベスト。急いでいる場合は室温で解凍することもできますが、品質を保つためには時間をかけて解凍することをおすすめします。
なお、解凍後は早めに使い切ってみてください。
おすすめブランド比較(よつ葉・明治・カルピスの特徴)
市販されている主要な発酵バターブランドの特徴をご紹介していきます。
よつ葉の発酵バターは、クリーミーで上品な風味が特徴的です。お菓子作り初心者にも使いやすくて、どんなお菓子にも合わせやすい万能タイプといえるでしょう。価格も比較的手頃で、続けて使いやすいのも嬉しいポイント。
一方で、明治の発酵バターは、しっかりとした酸味とコクが魅力なのです。特に焼き菓子に使うと、その特徴がとてもよく活かされます。カルピスの発酵バターは、まろやかな風味で癖が少なくて、繊細なお菓子作りにぴったり。
このように、それぞれに違った魅力があるので、作りたいお菓子や好みに応じて選んでみてください!
よくある疑問Q&A|「香りが出ない」「有塩しかないとき」「コストを抑えたい」
Q: 発酵バターを使っているのに香りが感じられないのです。
A: 発酵バターの香りを最大限に引き出すには、室温に戻してから使うのがポイントなのです。また、焦がしバターにすることで香りをより強調できます。さらに、安価な発酵バターだと風味が弱い場合もあるので、品質の良いブランドを選んでみることをおすすめします。
Q: 有塩バターしか手元にない場合はどうしたら良いでしょうか?
A: 有塩バターでも代用できるので安心してください。ただし、レシピの塩分量を調整する必要があります。有塩バター100gを使う場合は、レシピの塩を約1.5g減らしてみてください。塩の記載がないレシピなら、そのまま使用しても問題ありません。
Q: 発酵バターは高いのですが、コストを抑える方法はありますか?
A: 特別なお菓子を作る際だけ発酵バターを使って、普段は非発酵バターを使うという使い分けがおすすめです。また、業務用サイズを購入して小分け冷凍すれば、単価を下げることもできます。さらに、特売日を狙って購入して冷凍保存するのも効果的な方法でしょう。
まとめ
発酵バターと非発酵バターの使い分けをマスターすれば、お菓子作りがもっと楽しくなります。
発酵バターは香りとコクを活かしたい焼き菓子に、非発酵バターは素材の風味を大切にしたいお菓子に使うのが基本です。また、適切な保存方法を実践すれば、バターの品質を長期間保てるので安心でしょう。
今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ色々なバターを試してみてください。きっと、いつものお菓子がワンランクアップした仕上がりになって、お菓子作りがもっと楽しくなるはずです!