「色鉛筆でイラストを描いてみたいけど、どれを選べばいいか分からない……」
そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
文房具店に行くと様々な色鉛筆が並んでいて、価格も数百円から数万円まで幅広く、初心者にはどれが自分に合っているのか判断が難しいものです。
この記事では、イラスト用の色鉛筆の選び方から、描きたい雰囲気に合わせたおすすめセット、さらに発色を良くする塗り方のコツまで丁寧にお伝えしていきます。
あなたの描きたいイラストに最適な色鉛筆を見つけて、理想の作品を完成させていきましょう!
イラスト用の色鉛筆は文房具とどう違う?失敗しないために知っておきたい基本
イラストを描くなら、まず知っておきたいのが「画材用色鉛筆」と「文房具用色鉛筆」の違いです。
結論から言うと、画材用は発色や重ね塗りの性能が段違いに優れています。
なぜなら、顔料の質や芯の柔らかさ、色の定着力など、イラスト制作に必要な要素が全て強化されているからです。
ここでは、イラスト初心者がつまずきやすいポイントも含めて、画材用色鉛筆の特徴を詳しくお話ししていきます!
“画材用”色鉛筆が選ばれる理由とは?
画材用色鉛筆が選ばれる最大の理由は、顔料の濃度と質が圧倒的に高いという点にあります。
文房具店で売っている一般的な商品は、主に文字を書いたり簡単な塗り絵をしたりするために作られているため、色の鮮やかさや伸びには限界があるのです。
一方で、画材用として開発されたものは、芯に含まれる顔料の配合率が高く設計されています。
そのため、軽く塗るだけでも鮮明な色が紙に定着し、何度も重ねて塗っても濁りにくいという特徴を持っているのです。
また、芯の柔らかさも計算されていて、力を入れずに滑らかに描けるように調整されています。
こうした違いがあるからこそ、プロのイラストレーターや趣味で本格的に描きたい人は、必ず画材用を選んでいるわけです。
初心者でも、最初から画材用を使うことで「思った通りの色が出ない」というストレスを減らせます!
発色・重ね塗り・耐久性で何が変わるのか
次に具体的な性能面を見ていきましょう。
画材用色鉛筆は、発色・重ね塗り・耐久性という3つの軸で文房具用と大きく差がつきます。
まず発色については、画材用は一度塗っただけで色がはっきりと紙に乗るため、何度も塗り重ねる手間が省けます。
これに対して、文房具用は薄い色しか出ないことが多く、濃い色を表現するには何度も往復して塗る必要があるのです。
次に重ね塗りについてですが、画材用は異なる色を何層も重ねても濁りにくい性質を持っています。
例えば、黄色の上に青を重ねて緑のグラデーションを作る場合、画材用なら美しい中間色が生まれますが、文房具用だと色が混ざってくすんでしまうことが多いのです。
最後に耐久性ですが、画材用の顔料は光に強く、完成したイラストを飾っても色褪せしにくいという利点があります。
せっかく時間をかけて描いた作品が数年で色あせてしまうのは悲しいですよね。
このような違いを理解しておくと、色鉛筆選びで失敗するリスクをぐっと減らせます!
イラスト初心者が最初につまずきやすいポイント
イラスト初心者が最初につまずくポイントは、主に3つあります。
1つ目は「思った色が出ない」という問題です。
これは先ほど触れたように、文房具用の色鉛筆を使っていることが原因のケースが多く、画材用に変えるだけで劇的に改善されます。
2つ目は「塗りムラができてしまう」という悩みです。
芯が硬すぎる色鉛筆を使っていると、紙に色が均一に乗らず、線が目立ってムラになりやすくなります。
そのため、初心者ほど芯が柔らかめの色鉛筆を選ぶことが大切なのです。
3つ目は「色数が多すぎて使いこなせない」という問題ですね。
最初から72色や100色のセットを買ってしまうと、どの色をどこに使えばいいのか迷って、結局一部の色しか使わなくなることがあります。
したがって、最初は24色〜36色程度のセットから始めて、慣れてきたら単色で買い足していく方が効率的です。
こうした初心者あるあるを知っておけば、無駄な出費や挫折を避けられますよ!
イラストがぐっと上手く見える色鉛筆の選び方|油性・水彩・芯の硬さ・色数を徹底解説
ここからは、あなたに最適な色鉛筆を選ぶための具体的なポイントをお伝えしていきます。
色鉛筆には「油性」と「水彩」という2つのタイプがあり、それぞれ特徴が異なるため、描きたいイラストの雰囲気によって使い分けることが重要です。
また、芯の硬さや色数も仕上がりに大きく影響するため、これらの要素を理解することで失敗のない選択ができるようになります。
それでは、1つずつ丁寧に見ていきましょう!
油性色鉛筆と水彩色鉛筆の違いと、イラストとの相性
油性色鉛筆と水彩色鉛筆の最も大きな違いは、描いた後に水を使って溶かせるかどうかという点です。
油性色鉛筆は、芯にワックスや油分が含まれていて、描いた線がそのまま紙に定着します。
そのため、くっきりとした線を活かしたイラストや、細かい描き込みが必要な作品に向いているのです。
例えば、アニメ風のキャラクターイラストや、繊細な人物画を描きたい場合は油性がおすすめですね。
一方、水彩色鉛筆は、描いた後に水を含ませた筆でなぞると色が溶けて水彩画のような表現ができます。
ふんわりとした柔らかい雰囲気や、グラデーションを滑らかに表現したい場合には水彩が適しているわけです。
風景画や、優しいタッチのイラストを描きたいなら、水彩色鉛筆を選ぶと良いでしょう。
ただし、水彩色鉛筆は水を使わずに普通の色鉛筆としても使えるため、両方の表現を楽しみたい人にとっては汎用性が高いという利点もあります。
自分の描きたいイラストのスタイルを考えて、どちらが合っているか判断してみてください!
芯の硬さは”絵柄の雰囲気”を左右する|細密系・ふんわり系の違い
芯の硬さは、イラストの仕上がりの雰囲気を大きく左右する要素です。
硬い芯の色鉛筆は、シャープな線が描けるため、細かいディテールを表現したい細密画に向いています。
例えば、髪の毛の一本一本を描き込みたい場合や、建物の細かい模様を正確に描きたい場合には、硬めの芯が威力を発揮するのです。
しかし、硬い芯は力を入れて塗る必要があるため、広い面積を塗るのには時間がかかり、手も疲れやすいという欠点があります。
一方、柔らかい芯の色鉛筆は、軽い力で色がのるため、ふんわりとした優しい雰囲気のイラストを描くのに適しています。
グラデーションも作りやすく、色を何層も重ねて深みを出すことも簡単です。
ただし、柔らかすぎる芯は削りにくく、折れやすいという注意点もあるので、扱いには少し慣れが必要ですね。
初心者の方には、中程度の硬さ(やや柔らかめ)の色鉛筆がバランスが良くておすすめです。
芯の硬さは商品によって異なるため、レビューや説明書きをチェックしてから購入するようにしてみてください!
色数の選び方|12色・24色・36色・72色…どこを基準にすべき?
色鉛筆セットを選ぶ際に最も悩むのが色数ではないでしょうか。
結論から言うと、初心者には24色〜36色のセットが最もバランスが良く、使いやすいと言えます。
なぜなら、12色だと色のバリエーションが少なすぎて、微妙な色の違いを表現するのが難しいからです。
例えば、肌の色を塗る場合、12色セットだと肌色が1色しか入っていないことが多く、影や光の部分を表現するための中間色が足りません。
一方で、72色や100色のセットを最初から買ってしまうと、似たような色が多すぎて選ぶのに迷ってしまい、結局使わない色が大量に残ることになります。
24色〜36色のセットなら、基本的な色がしっかり揃っていて、混色や重ね塗りで足りない色を補うこともできるのです。
また、このくらいの色数なら価格も手頃で、初期投資を抑えられるという利点もあります。
慣れてきて「この色がもっと欲しい」と感じたら、単色で買い足していくのが賢い方法です。
まずは24色〜36色から始めて、自分の描くイラストに必要な色を見極めていきましょう!
人物・キャラ絵を描くなら知っておきたい色構成のポイント
人物やキャラクターイラストを描く場合、色鉛筆セットの色構成に注目することが大切です。
特に重要なのは、肌色・茶色・グレーのバリエーションが豊富かどうかという点ですね。
肌色は光の当たり方や影の付け方によって何色も使い分ける必要があるため、明るい肌色から暗い肌色まで数種類あると便利です。
茶色も、髪の毛や瞳、服の影など、多くの場面で使う色なので、明度の違う茶色が複数入っているセットを選ぶと表現の幅が広がります。
また、グレーは影を表現するのに欠かせない色で、明るいグレーから濃いグレーまで揃っていると立体感を出しやすくなるのです。
逆に、風景画用のセットだと緑や青のバリエーションが多い代わりに、肌色や茶色が少ないことがあるので注意が必要ですね。
人物イラスト向けのセットとして販売されているものもあるため、そうした商品を選ぶと失敗が少ないでしょう。
自分が主に描きたいものが人物なのか風景なのかを明確にしてから、色構成をチェックしてみてください!
【用途別】あなたの描きたいイラストに最適な色鉛筆はこれ!タイプ別おすすめを紹介
ここからは、描きたいイラストのタイプ別に最適な色鉛筆の特徴をご紹介していきます。
というのも、色鉛筆はそれぞれ得意な表現が異なるため、目的に合わせて選ぶことで仕上がりのクオリティが格段に上がるからです。
アニメ風のキャラクター、ふんわり優しい雰囲気のイラスト、本格的な風景画、SNS映えを狙ったくっきり発色の作品など、それぞれに適した色鉛筆があります。
あなたの描きたいスタイルに合った色鉛筆を見つけていきましょう!
アニメ・キャラクター系を描きたい人に向く色鉛筆
アニメやキャラクターイラストを描きたい人には、発色が鮮やかで芯がやや硬めの油性色鉛筆がおすすめです。
なぜなら、アニメ風の絵はくっきりとした色使いと、はっきりした線が特徴だからですね。
芯が硬めの色鉛筆なら、輪郭線を丁寧に描き込めますし、目や髪の細かい部分も正確に表現できます。
また、色が混ざりにくい性質があるため、隣接する色がにじまず、パキッとした仕上がりになるのです。
具体的には、三菱鉛筆のユニカラーや、ファーバーカステルのポリクロモスなどが人気で、プロのイラストレーターにも愛用されています。
これらは芯の硬さと発色のバランスが良く、細かい描き込みと広い面積の塗りの両方に対応できる優れものです。
色数は36色〜48色あれば、キャラクターイラストに必要な肌色・髪色・服の色が十分に揃います。
アニメ風の鮮やかなイラストを描きたいなら、硬めの油性色鉛筆を選んでみてください!
ふんわり優しい雰囲気のイラストを描きたい人に向く色鉛筆
優しくふんわりとした雰囲気のイラストを描きたい場合は、芯が柔らかめの油性色鉛筆か、水彩色鉛筆がおすすめです。
柔らかい芯の色鉛筆は、軽い力で色が広がるため、ぼかしやグラデーションが作りやすく、優しいタッチの表現に向いています。
特に、人物の肌や髪の毛に柔らかい印象を出したい場合には、芯の柔らかさが大きな武器になるのです。
また、水彩色鉛筆を使って水でぼかす技法を取り入れると、よりふんわりとした仕上がりが実現できます。
具体的には、ファーバーカステルのアルブレヒトデューラーや、ステッドラーのカラトアクェレルなどが人気です。
これらは水彩色鉛筆の中でも発色が良く、水を使わなくても十分美しい色が出るため、初心者にも扱いやすいという特徴があります。
色数は24色〜36色あれば、柔らかい色合いのイラストに必要な中間色が揃っているので問題ありません。
ふんわりとした癒し系のイラストを描きたいなら、柔らかめの色鉛筆を試してみてください!
風景・本格的な色鉛筆画に挑戦したい人に向く色鉛筆
風景画や本格的な色鉛筆画に挑戦したい人には、高品質な画材用色鉛筆が必須です。
というのも、風景画は空の微妙なグラデーションや木々の複雑な色合いなど、繊細な色の表現が求められるからですね。
そのため、顔料の質が高く、重ね塗りをしても濁りにくい色鉛筆を選ぶことが重要になります。
具体的には、カランダッシュのルミナンスやホルベインのアーチスト色鉛筆などが、プロの色鉛筆画家にも使われている定番です。
これらは色数も豊富(72色〜120色)で、微妙な色の違いを表現できるため、リアルな風景画を描くのに最適なのです。
また、耐光性が高く、完成した作品が長期間色褪せしないという利点もあります。
ただし、価格は高めになるため、最初は36色〜48色のセットから始めて、必要な色を単色で買い足していくのが賢い選択です。
本格的な風景画に挑戦したいなら、少し投資してでも高品質な色鉛筆を選んでみてください!
SNS映えを狙う”くっきり発色”重視の人に向く色鉛筆
InstagramやTwitterなどSNSで映える作品を作りたい人には、発色が鮮やかで濃い色が出る色鉛筆がおすすめです。
SNSでは画面越しに見ても色が美しく映えることが重要なので、くっきりとした色合いが出せる色鉛筆が有利になります。
具体的には、プリズマカラーやダーウェントのコロソフトなど、芯が柔らかく色が濃く出るタイプが人気です。
これらは一度塗っただけでも鮮明な色が出るため、スキャンや写真撮影をしたときに色が薄く見える心配がありません。
また、黒や濃い色をしっかり塗り込めるため、コントラストの強い印象的なイラストを作りやすいのです。
色数は48色〜72色あれば、鮮やかな色のバリエーションが十分揃っていて、カラフルな作品を作れます。
ただし、芯が柔らかすぎると削りにくい場合もあるため、専用の削り器を用意しておくと良いでしょう。
SNS映えを狙った作品を作りたいなら、発色の鮮やかさを重視して選んでみてください!
初心者でも迷わず選べる!まず買うなら間違いないおすすめ色鉛筆セット
ここからは、初心者が最初に買うべき具体的な色鉛筆セットをご紹介していきます。
予算や目的に合わせて3つのカテゴリーに分けてお話ししていくので、あなたに最適なものを見つけてみてください。
どのセットも初心者にとって使いやすく、長く愛用できる品質のものばかりです。
それでは順番に見ていきましょう!
予算3,000円以内で選ぶ”はじめての1本”
予算を3,000円以内に抑えたい場合、三菱鉛筆の「ユニカラー36色セット」が最もおすすめです。
価格は約2,500円前後で、日本製の高品質な色鉛筆がこの価格で手に入るというコストパフォーマンスの良さが魅力ですね。
芯の硬さは中程度で、細かい描き込みにも広い面積の塗りにも対応でき、初心者が最初に使うのに最適なバランスを持っています。
また、36色という色数も、基本的な色が揃っていて使いやすく、色選びに迷いすぎることもありません。
もう1つのおすすめは、トンボ鉛筆の「色辞典30色セット」で、こちらは約2,000円前後で購入できます。
日本の伝統色をモチーフにした落ち着いた色合いが特徴で、和風のイラストや優しい雰囲気の作品を描きたい人に向いているのです。
どちらも文房具店やオンラインショップで簡単に手に入るため、入手のしやすさという点でも初心者におすすめできます。
まずは手頃な価格で色鉛筆イラストを始めてみたいなら、これらのセットから試してみてください!
キャラ描写しやすい色が揃うコスパの良いセット
キャラクターイラストを描きたい人には、ファーバーカステルの「ポリクロモス36色セット」がおすすめです。
価格は約6,000円前後と少し高めですが、プロも使用する高品質な色鉛筆がこの価格で手に入るのは非常にお得と言えます。
ポリクロモスは油性色鉛筆で、発色が鮮やかかつ芯の硬さも適度なため、キャラクターの細かい部分を描き込むのに最適です。
特に、肌色や茶色のバリエーションが豊富に含まれていて、人物イラストに必要な色がしっかり揃っているのが大きな利点ですね。
もう1つのおすすめは、ホルベインの「アーチスト色鉛筆24色セット」で、約4,000円前後で購入できます。
こちらは日本のメーカーが作る高品質な色鉛筆で、日本人の肌色に合った色が含まれているため、日本のアニメ風キャラクターを描くのに適しているのです。
どちらのセットも、後から単色で買い足すことができるため、必要な色だけを追加していけるという拡張性の高さも魅力です。
キャラクター描写を本格的に楽しみたいなら、これらのセットを選んでみてください!
将来長く使える”画材入門”としてのおすすめセット
長く色鉛筆イラストを続けていくつもりなら、カランダッシュの「ルミナンス76色セット」が最高の選択肢です。
価格は約30,000円と高額ですが、プロの色鉛筆画家が愛用する最高級品質で、一生使える画材と言っても過言ではありません。
ルミナンスは耐光性が非常に高く、100年以上色褪せしないという驚異的な耐久性を持っているのです。
また、顔料の質も最高級で、発色の美しさと重ね塗りのしやすさは他の色鉛筆とは一線を画します。
もう少し予算を抑えたい場合は、ファーバーカステルの「アルブレヒトデューラー60色セット」がおすすめで、約15,000円前後で購入できます。
こちらは水彩色鉛筆なので、乾いた状態でも水を使った状態でも使えるという汎用性の高さが魅力です。
どちらのセットも、初心者が使っても十分に性能を体感できる品質なので、最初から本格的に取り組みたい人には最適な投資と言えます。
将来的に作品を販売したり展示したりすることも視野に入れているなら、これらの高品質セットを選んでみてください!
発色が見違える!イラストをもっと立体的に見せる色鉛筆の塗り方・重ね方のコツ
良い色鉛筆を手に入れたら、次は塗り方のコツを身につけていきましょう。
というのも、色鉛筆は塗り方次第で仕上がりのクオリティが大きく変わる画材だからです。
特に重ね塗りの技術を習得すると、平面的だったイラストが一気に立体的で深みのある作品に変わります。
ここでは、初心者でもすぐに実践できる塗り方のコツをお伝えしていきます!
誰でもできる”3ステップ重ね塗り”で深みを出す方法
色鉛筆で深みのある色を表現するには、「3ステップ重ね塗り」という基本テクニックが効果的です。
まず1ステップ目として、ベースとなる明るい色を薄く広範囲に塗っていきます。
このとき、力を入れすぎずに軽く塗ることがポイントで、紙の白さが少し透けて見えるくらいの薄さが理想的です。
次に2ステップ目として、影になる部分や濃くしたい部分に、少し暗い色を重ねて塗っていきます。
このステップでは、ベース色と近い色相の濃い色を選ぶことで、自然なグラデーションが生まれるのです。
最後の3ステップ目では、最も濃い影の部分にさらに暗い色を重ねて、コントラストをはっきりさせます。
この3段階の重ね塗りをするだけで、平面的だったイラストが立体的に見えるようになるわけですね。
例えば、赤いりんごを描く場合、まず明るいピンク色を薄く塗り、次にオレンジがかった赤を重ね、最後に深い赤を影部分に塗るという流れです。
このテクニックをマスターすれば、どんなモチーフでも立体感を出せるようになります!
影色は黒を使わない|青・紫を混ぜるだけで絵がプロっぽく見える理由
初心者がやりがちなミスが、影を表現するときに黒を使ってしまうことです。
実は、黒を使うと影が不自然に重くなり、絵全体がくすんで見えてしまうのです。
なぜなら、現実の影は純粋な黒ではなく、周囲の光の色を反射した微妙な色合いを持っているからですね。
プロのイラストレーターは、影を描くときに青や紫を混ぜることで、透明感のある自然な影を表現しています。
例えば、肌色の影を描く場合、黒ではなく薄い青や紫を重ねることで、血色の良い健康的な肌に見えるのです。
同様に、緑の葉っぱの影には青緑や紫を使い、茶色い木の幹の影には濃い青を使うと、立体感が増します。
この技法を使うだけで、イラストが一気にプロっぽく洗練された印象になるのです。
最初は少し違和感があるかもしれませんが、慣れてくると影に色を混ぜることの効果がはっきりと分かるようになります。
影を塗るときは黒を避けて、青や紫を積極的に使ってみてください!
グラデーションを自然に見せるコツと色の組み合わせ例
美しいグラデーションを作ることができれば、イラストの表現力が格段に上がります。
グラデーションを自然に見せる最大のコツは、隣り合う色の境界線をぼかすことです。
具体的には、2色を塗ったら、その中間部分を円を描くようにクルクルと塗り重ねていくと、色の境目が滑らかになります。
また、色の組み合わせも重要で、色相環で隣り合う色同士を組み合わせると自然なグラデーションが作れるのです。
例えば、黄色からオレンジ、オレンジから赤というような流れは非常に相性が良く、夕焼け空などを表現するのに最適ですね。
逆に、色相環で反対側にある色(補色)を組み合わせると、ビビッドで印象的なグラデーションになります。
青から黄色へのグラデーションや、紫から黄緑へのグラデーションなどは、幻想的な雰囲気を出したいときに効果的です。
さらに、グラデーションを作るときは、力の入れ具合を徐々に変えていくことも大切なポイントになります。
色が濃い部分では強めに塗り、薄い部分では軽く塗ることで、自然な色の変化が生まれるのです。
グラデーションの練習をするときは、まず単色で明暗のグラデーションを作ってから、複数色を使ったグラデーションに挑戦してみてください!
肌・髪・服をきれいに塗るための色の選び方
人物イラストを描く際、肌・髪・服の色選びは仕上がりを左右する重要なポイントです。
まず肌の塗り方ですが、ベージュやピンクベージュを基本色として、影の部分にはオレンジやピンク、さらに濃い部分には薄い紫を重ねると自然な立体感が出ます。
決して茶色や黒を使わないことが、透明感のある肌を表現する秘訣ですね。
次に髪の塗り方ですが、単色で塗るのではなく、明度の違う3色程度を用意すると良いでしょう。
例えば茶色い髪なら、明るい茶色、中間の茶色、暗い茶色を使い分け、光が当たる部分には黄色やオレンジを薄く重ねると艶感が出ます。
黒髪の場合も、真っ黒を使うのではなく、濃いグレーや紺色を使って、ハイライト部分には青や紫を入れると美しく仕上がるのです。
最後に服の塗り方ですが、布の質感によって色の選び方を変えることが大切です。
柔らかい素材(コットンやニットなど)なら、色を薄めに塗って優しい印象を出し、硬い素材(革やデニムなど)なら、濃い色をしっかり塗り込んでシャープな印象を出すと良いでしょう。
また、服のしわや影の部分には、服の色より少し暗い同系色を使うことで、自然な立体感が表現できます。
これらの色選びのコツを意識するだけで、人物イラストのクオリティが大きく向上します!
色鉛筆イラストのクオリティを底上げする紙・道具・保管方法|初心者が知らないと損する知識
色鉛筆イラストのクオリティを上げるには、色鉛筆だけでなく、紙や補助道具にもこだわることが大切です。
というのも、どんなに良い色鉛筆を使っていても、紙との相性が悪ければ本来の発色や質感を引き出せないからですね。
また、完成した作品を長く美しく保つための保管方法も、意外と知られていない重要なポイントです。
ここでは、初心者が見落としがちな紙選びや便利な道具、そして作品の保管方法についてお伝えしていきます!
イラストに適した紙の選び方|ケント紙・画用紙・水彩紙の違い
色鉛筆イラストに使う紙は、大きく分けてケント紙・画用紙・水彩紙の3種類があります。
まずケント紙は、表面が非常に滑らかで、細かい線を描くのに適しています。
アニメ風のキャラクターイラストや、精密な描き込みをしたい場合にはケント紙がおすすめです。
ただし、表面が滑らかすぎるため、色を重ねすぎると紙が色を受け付けなくなる「色が乗らない」という現象が起きることがあります。
次に画用紙ですが、こちらは表面に適度な凹凸があり、色鉛筆の色がしっかりと定着するため、初心者に最も使いやすい紙です。
重ね塗りにも強く、何層も色を重ねても紙が耐えられるという利点があります。
色鉛筆イラストを始めるなら、まずは画用紙から試してみるのが良いでしょう。
最後に水彩紙ですが、これは水彩色鉛筆を使う場合に適した紙で、水を含ませても波打ちにくい構造になっています。
表面の凹凸が強く、色鉛筆の粒子がしっかり紙に食い込むため、発色が良く深みのある表現ができるのです。
紙の厚さも重要で、薄い紙(110kg未満)だと重ね塗りに耐えられず破れやすいため、135kg以上の厚みがある紙を選ぶことをおすすめします!
色鉛筆削り・消しゴム・ブレンダー…あると便利な補助アイテム
色鉛筆イラストを快適に楽しむために、いくつかの補助アイテムを揃えておくと便利です。
まず必須なのが、色鉛筆専用の削り器ですね。
普通の鉛筆削りでは芯が折れやすく、特に柔らかい芯の色鉛筆には対応できないことがあります。
ステッドラーやファーバーカステルが出している色鉛筆専用削り器は、芯を傷めずにきれいに削れるのでおすすめです。
次に、色鉛筆用の消しゴムも重要なアイテムで、通常の消しゴムだと色鉛筆の色素が完全には消えないことが多いため、専用品を使うと良いでしょう。
ただし、色鉛筆は一度塗ると完全には消せないので、下書きは薄めに描いておくことが大切です。
また、ブレンダー(無色の色鉛筆)があると、色と色の境界をなめらかにぼかすことができて便利ですね。
これは色が付いていない油分だけの色鉛筆で、塗った色の上からこすることで、色をなじませることができるのです。
その他、綿棒やティッシュを使って色を伸ばす方法もあるため、色々な道具を試してみると表現の幅が広がります。
こうした補助アイテムを揃えることで、色鉛筆イラストがより快適に楽しめるようになります!
作品が退色しにくくなる保管・飾り方のコツ
せっかく時間をかけて描いた作品が色褪せてしまうのは悲しいことですよね。
色鉛筆イラストは、適切に保管すれば長期間美しい状態を保つことができます。
まず最も重要なのが、直射日光を避けることです。
色鉛筆の顔料は紫外線に弱いため、窓際に飾ったり日光の当たる場所に置いたりすると、数ヶ月で色が褪せてしまうことがあります。
作品を飾る場合は、UVカットガラスを使った額縁に入れることで、退色を大幅に防ぐことができるのです。
また、作品を保管する際は、クリアファイルやグラシン紙で包んでから、湿気の少ない場所に立てて保管すると良いでしょう。
平らに重ねて保管すると、上の作品の色が下の作品に移ってしまう「色移り」が起きることがあるため注意が必要です。
さらに、定着スプレーを作品の表面に吹きかけることで、色の定着を強化し、こすれや色移りを防ぐこともできます。
ただし、定着スプレーを使うと色が少し暗くなることがあるため、事前に試し塗りをして確認してから使うことをおすすめします。
こうした保管方法を実践すれば、あなたの大切な作品を長く美しく保つことができます!
まとめ
色鉛筆でイラストを描くなら、まず画材用の色鉛筆を選ぶことが上達への第一歩です。
油性と水彩、芯の硬さ、色数など、描きたいイラストのスタイルに合わせて最適なものを選ぶことで、思い通りの表現ができるようになります。
初心者の方は、24色〜36色のセットから始めて、重ね塗りや影の色使いといった基本テクニックを身につけていきましょう。
また、紙選びや補助道具にもこだわることで、作品のクオリティをさらに高めることができるのです。
色鉛筆イラストは、コツさえ掴めば誰でも上達できる魅力的な趣味です。
まずは手頃なセットを手に入れて、気軽に描き始めてみてください!
あなたの描きたいイラストを実現するために、この記事でお伝えした選び方や塗り方のコツをぜひ活用してみてくださいね。





