「色鉛筆で桜を描いてみたいけど、なんだか上手くいかない……」
そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
桜は春の代表的なモチーフで描きたくなるものの、いざ描いてみると「ただのピンクの丸」になってしまったり、塗りすぎて重たい印象になってしまったりと、思い通りに仕上がらないことがあります。
この記事では、色鉛筆で桜を描く基本手順から、ふんわりとした桜らしさを出すコツまでを丁寧にお伝えしていきます。
さらに、一輪の花から枝や風景全体へと発展させる方法、水彩色鉛筆を使った応用テクニックもご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
色鉛筆で描いた桜がうまく見えない理由|初心者がつまずく3つの壁
まずは「なぜ桜が上手く描けないのか」という理由から見ていきましょう。
初心者が桜を描くときにぶつかる壁は、大きく分けて3つあります。
これらの原因を知っておくことで、失敗のパターンを避けられるようになります。
ピンクを塗っただけでは桜に見えない理由
色鉛筆で桜を描こうとするとき、多くの人がまず「ピンク色を塗る」ところから始めます。
しかし、ピンクを塗っただけでは桜らしく見えないことが多いのです。
なぜなら、桜の花びらは実際には「白に近い薄いピンク」であり、単色で塗りつぶすと平面的で重たい印象になってしまうから。
桜の花びらには、光が当たる部分と影になる部分があります。
そのため、明るい部分は白に近く、花の中心や重なり部分にだけ色がのっているように見えるのが自然です。
このように、桜は「色を塗る」というより「白を残しながら薄く色をのせる」という感覚で描くことが大切なんですね。
花を一つずつ描こうとして失敗するパターン
次によくある失敗が、桜の花を一つひとつ丁寧に描こうとしすぎることです。
一見すると丁寧に見えますが、実はこの描き方が桜を不自然にしてしまう原因になります。
というのも、桜は枝にたくさんの花が集まって咲いているため、一輪ずつはっきり描くと「並べた感」が出てしまうからです。
実際の桜を観察してみると、花同士が重なり合い、遠くの花はぼんやりと見えることがわかります。
ですから、すべての花を同じ密度で描き込むのではなく、手前の花ははっきりと、奥の花はふんわりと表現することが重要。
このメリハリが、桜らしい柔らかさと奥行きを生み出します。
輪郭線・描き込みすぎが桜を硬くする原因
最後の壁が、輪郭線をはっきり描きすぎたり、細部まで描き込みすぎたりすることです。
色鉛筆で絵を描くとき、どうしても「きちんと描かなきゃ」という気持ちが働き、線をしっかり引いてしまいがち。
しかし、桜のような柔らかい花は、輪郭線が強すぎると硬い印象になってしまいます。
たとえば、花びらの縁を濃い線で囲んでしまうと、まるでイラストのような平面的な絵になってしまうのです。
桜らしいふんわり感を出すには、輪郭線は最小限にとどめ、色の濃淡だけで形を表現することがポイント。
このように考え方を少し変えるだけで、桜の雰囲気は驚くほど変わっていきます。
まずはこれだけでOK|桜に見える”最小限の色”と画材の選び方
桜を描くために、たくさんの色鉛筆を揃える必要はありません。
ここでは、初心者でも手軽に始められる最小限の色と、紙選びのポイントをお伝えしていきます。
これだけ用意すれば、十分に桜らしい絵が描けるようになりますよ。
桜を描くのに必要な色鉛筆は何色あればいい?
桜を描くために絶対に必要な色は、実は3〜4色程度で十分です。
具体的には、次の色があれば基本的な桜は描けます。
まず必要なのが「薄いピンク」。
これは桜の花びら全体のベースになる色で、ライトローズやペールピンクといった淡い色味を選ぶのがオススメです。
次に「濃いピンク」または「赤に近いピンク」。
こちらは花の中心部分や影を表現するために使います。
さらに「グレーまたは薄い紫」があると、影の表現がより自然になります。
最後に「黄色または黄緑」を少しだけ。
桜の花の中心にある雄しべを表現するのに役立ちます。
このように、桜を描くのに100色セットは必要なく、基本の3〜4色があれば十分に美しい桜が描けるのです。
白・薄ピンク・影色の考え方(混色しないコツ)
桜を描くうえで最も重要なのが「白を残す」という考え方です。
色鉛筆で白を表現する場合、白い色鉛筆を使うのではなく、紙の白をそのまま活かします。
なぜなら、色鉛筆の白は他の色の上からでは効果が薄く、かえって不自然になってしまうことがあるからです。
ですから、最初から「どこに白を残すか」を意識しながら描き進めることが大切。
また、薄いピンクを塗る際は、力を入れすぎないように注意しましょう。
色鉛筆は力加減で濃淡をコントロールできるため、最初は軽いタッチで薄く塗り、必要に応じて重ねていくのが基本です。
影色については、いきなり濃いピンクを使うのではなく、まずグレーや薄い紫で影の位置を作ってから、その上にピンクを重ねる方法もあります。
こうすることで、自然な立体感が生まれ、桜らしい透明感が表現できます。
紙選びで仕上がりが変わる理由(初心者向け)
意外と見落としがちなのが、紙選びです。
色鉛筆で桜を描く場合、紙の質感によって発色や仕上がりが大きく変わります。
初心者にオススメなのは、少し厚みのある画用紙やケント紙です。
これらの紙は表面がなめらかで、色鉛筆がムラなく塗れるため失敗が少なくなります。
一方、コピー用紙のような薄い紙は、色がのりにくく、何度も重ね塗りすると紙が毛羽立ってしまうことがあるため注意が必要。
また、水彩色鉛筆を使う場合は、水彩紙を選ぶようにしましょう。
普通の画用紙では水を含むとふやけてしまうため、専用の紙が適しています。
このように、紙選びにも少し気を配るだけで、描きやすさと仕上がりのクオリティが格段に向上します。
【基本】色鉛筆で桜を描く手順|一輪の花を失敗せずに描く方法
それでは、実際に色鉛筆で桜を描く手順を見ていきましょう。
ここでは一輪の桜の花を描く基本的なプロセスをお伝えしていきます。
この手順をマスターすれば、どんな角度の桜でも応用が効くようになりますよ。
下描きはどこまで描く?桜の形を取るコツ
まずは下描きからスタートします。
桜の花は、中心から5枚の花びらが広がる形をしています。
下描きでは、細かい部分まで描き込む必要はありません。
まず円を描き、その中に花びらの位置を軽く印をつける程度でOKです。
花びらは完全な丸ではなく、先端がハート型のようにくぼんでいるのが特徴。
ですから、花びら一枚ずつを意識しながら、ざっくりとした形を取っていきましょう。
このとき、鉛筆の線は薄く引くことがポイント。
あとで色を塗るときに鉛筆の線が目立ってしまうと、桜の柔らかさが失われてしまいます。
また、花の中心部分には雄しべがあるので、そこも軽く印をつけておくと後の工程がスムーズです。
このように、下描きはあくまで「形の目安」を作るだけにとどめ、細かく描きすぎないことが成功のコツなんですね。
最初は色を塗らない|薄く”雰囲気”を作る工程
下描きができたら、いよいよ色を塗る工程に入ります。
しかし、ここで注意したいのが「最初から濃く塗らない」ということ。
桜のふんわり感を出すには、まず全体に薄く色をのせて雰囲気を作ることが重要です。
具体的には、薄いピンクの色鉛筆を使い、ほとんど力を入れずに花びら全体を軽くなぞります。
このとき、花びらの中心部分は少しだけ濃く、外側は薄くというグラデーションを意識してみてください。
また、花びら全体を塗りつぶすのではなく、光が当たる部分は白く残すことを忘れずに。
たとえば、花びらの縁や上部は光が反射するため、白く残すことで立体感が生まれます。
この段階では「なんとなく桜っぽい雰囲気」が出ていればOKです。
まだ物足りない感じがしても、次の工程で立体感を加えていくので心配いりません。
重ね塗りで立体感を出す順番と注意点
雰囲気ができたら、次は重ね塗りで立体感を加えていきます。
ここでのポイントは「一気に濃くしない」こと。
少しずつ色を重ねることで、自然なグラデーションが生まれます。
まず、花の中心部分に濃いピンクを軽く塗っていきましょう。
桜の花は、雄しべがある中心部分が最も色が濃くなる傾向があります。
次に、花びらが重なる部分や影になる部分に、グレーや薄い紫を軽くのせます。
こうすることで、花びら同士の境界がはっきりし、立体感が増していくのです。
さらに、花びらの縁に沿って薄いピンクを少し濃く塗ると、花びらの形がより明確になります。
ただし、やりすぎには注意。
あくまで「ほんのり」というレベルにとどめることが、桜らしい軽やかさを保つコツです。
最後に、雄しべを黄色や黄緑で細く描き込めば、一輪の桜が完成します。
一気に桜らしくなるコツ|ふんわり感・白の抜け・立体感の出し方
基本的な描き方をマスターしたら、次は「桜らしさ」をより引き出すテクニックを見ていきましょう。
ここでお伝えするコツを押さえるだけで、仕上がりが格段にレベルアップします。
初心者から一歩進んだ表現を目指す方は、ぜひ試してみてください。
白い花びらを”白で塗らない”理由
桜の花びらは白に近い色をしています。
そのため、白い色鉛筆を使いたくなるかもしれませんが、実はこれはあまりオススメできません。
なぜなら、白い色鉛筆は他の色の上に重ねてもあまり効果が出ず、かえって白っぽくなりすぎて不自然になってしまうからです。
桜のふんわりとした白さを表現するには、紙の白を活かすことが最も効果的。
つまり、色を塗らずに白く残す部分をしっかり計画することが大切なのです。
ただし、白い色鉛筆が全く使えないわけではありません。
たとえば、濃く塗りすぎてしまった部分を少し明るくしたいときや、花びらに光の反射を表現したいときには有効です。
しかし、基本的には「白は残すもの」という意識を持って描くことで、桜本来の透明感が引き出せます。
花の中心と外側で色を変える考え方
桜を自然に見せるためには、花の中心と外側で色の濃淡を変えることが重要です。
実際の桜をよく観察すると、花の中心部分は少し濃いピンク色をしており、外側に向かうにつれて白く淡くなっています。
これは、花の構造上、中心に雄しべや花の奥行きがあるため、影ができるからです。
ですから、色鉛筆で描く際も、中心部分には濃いピンクやグレーを使い、外側は薄いピンクや白のままにしておくことで、自然な立体感が生まれます。
また、花びらの縁も少しだけ色を濃くすると、花びらの形がはっきりして見やすくなります。
ただし、縁を濃くしすぎると輪郭線を描いたような印象になってしまうため、あくまでほんのりと色をのせる程度にとどめましょう。
このように、色の配置を意識することで、桜はぐっとリアルで美しい仕上がりになります。
やりすぎNG|桜が重たくなる塗り方とは
桜を描くうえで最も注意したいのが「塗りすぎ」です。
色鉛筆は重ね塗りができるため、ついつい何度も色を重ねてしまいがち。
しかし、塗りすぎると桜の軽やかさが失われ、重たく不自然な印象になってしまいます。
特に避けたいのが、花びら全体を均一に塗りつぶしてしまうこと。
桜の花びらは薄く透明感があるため、全体を濃く塗ると本来の美しさが消えてしまうのです。
また、影を描き込みすぎるのもNG。
影は必要最小限にとどめ、ほとんど目立たない程度に薄く入れるだけで十分です。
もし塗りすぎてしまったと感じたら、消しゴムで軽くこすって色を薄くすることもできます。
ただし、強くこすると紙が傷んでしまうため、優しく扱うことが大切。
このように、桜は「引き算の美学」で描くことが成功の秘訣です。
応用編|枝・木全体・風景の桜を色鉛筆で描く考え方
一輪の桜が描けるようになったら、次はより大きな作品に挑戦してみましょう。
ここでは、枝や木全体、さらに風景の中に桜を描く際のポイントをお伝えしていきます。
応用的な内容ですが、基本がしっかり身についていれば難しくありません。
枝の色は茶色だけじゃない|自然に見せる配色
桜の枝を描くとき、ついつい茶色一色で塗ってしまいがちですが、実はこれだと単調な印象になってしまいます。
実際の桜の枝をよく見てみると、茶色だけでなく、グレーや緑がかった色、赤みのある色など、さまざまな色が混ざっています。
ですから、枝を描く際も複数の色を使って表現すると、より自然でリアルな仕上がりになります。
たとえば、まず薄い茶色やベージュで枝の形を描き、その上から濃い茶色やグレーで影を入れていく方法がオススメ。
さらに、枝の一部に緑やオリーブ色を軽く混ぜると、春の枝特有の瑞々しさが表現できます。
また、枝にも光と影があるため、光が当たる部分は明るく、反対側は暗くすることで立体感が生まれます。
このように、枝にも丁寧に色を重ねることで、桜全体の完成度がぐっと高まります。
桜は一輪ずつ描かない|”かたまり”で捉える方法
桜の木全体を描く場合、一輪ずつ丁寧に描いていくのは現実的ではありません。
それに、すべての花を同じように描くと、かえって不自然で平面的な印象になってしまいます。
そこで重要なのが、桜を「かたまり」として捉える考え方です。
つまり、花が密集している部分全体を一つの塊と考え、その中にふんわりとピンク色をのせていくイメージ。
具体的には、まず薄いピンクで花が集まっている部分全体を軽く塗ります。
次に、その中で特に濃く見える部分や影になる部分に、少しだけ濃いピンクを重ねていきます。
そして、手前や目立たせたい部分にだけ、花びらの形を明確に描き込むのです。
こうすることで、遠くの花はふんわりと、手前の花ははっきりと見えるという、自然な遠近感が生まれます。
このメリハリが、桜の木全体を立体的に見せるポイントなんですね。
遠景・背景を入れても失敗しないコツ
桜の木を描くだけでなく、背景を加えることで作品の雰囲気は大きく変わります。
しかし、背景を入れると桜が埋もれてしまったり、全体がごちゃごちゃして見づらくなったりすることがあります。
そうならないためのコツは、背景を桜よりも淡く、シンプルに描くことです。
たとえば、青空を背景にする場合は、薄い水色を軽く塗る程度にとどめましょう。
濃く塗りすぎると、桜よりも背景が目立ってしまい、主役がぼやけてしまいます。
また、遠くの景色を描く場合は、細かいディテールは省略し、色の濃淡だけで雰囲気を伝えることが大切。
さらに、手前の桜はくっきりと、遠くの桜はぼんやりと描くことで、自然な奥行きが表現できます。
このように、背景はあくまで「引き立て役」として控えめに描くことで、桜の美しさが際立つ作品になります。
もっと上手く描きたい人へ|水彩色鉛筆・背景・季節表現の発展テクニック
基本をマスターし、応用にも慣れてきたら、さらに表現の幅を広げてみましょう。
ここでは、水彩色鉛筆を使った技法や、季節感をより豊かに表現する方法をご紹介していきます。
これらのテクニックを取り入れることで、あなたの桜の絵はさらに魅力的になりますよ。
水彩色鉛筆で桜を描くときの基本ルール
水彩色鉛筆は、普通の色鉛筆として使えるだけでなく、水を加えることで水彩画のような柔らかい表現ができる便利な画材です。
桜のようなふんわりとした被写体には特に相性が良く、初心者でも扱いやすいのが魅力。
水彩色鉛筆で桜を描く場合、まずは普通の色鉛筆と同じように下描きと色塗りを行います。
その後、筆に水を含ませて、色を塗った部分を軽くなぞっていくのです。
すると、色鉛筆の色が水に溶け、滑らかなグラデーションが生まれます。
ただし、水の量には注意が必要。
水を含ませすぎると色が流れすぎてしまい、せっかくの形がぼやけてしまいます。
ですから、筆は軽く湿らせる程度にし、何度か重ねながら調整していくのがコツ。
また、水を使った後は紙が湿るため、完全に乾いてから次の作業に移ることも大切です。
にじみ・ぼかしで春らしい空気感を出す方法
水彩色鉛筆の最大の魅力は、にじみやぼかしを使った柔らかい表現ができること。
桜の絵に春らしい空気感を出したいなら、この技法を活用してみましょう。
たとえば、花びらの輪郭をあえてぼかすことで、柔らかくふんわりとした雰囲気が生まれます。
具体的には、花びらの縁を水でなぞり、色を少しにじませるイメージです。
また、背景にも水彩技法を使うことで、より雰囲気のある作品になります。
薄いピンクと水色を混ぜてぼかすと、春の優しい空気感が表現できますよ。
さらに、枝の周りに薄く色をにじませることで、桜の木全体が柔らかい光に包まれているような印象を与えられます。
こうした技法は、普通の色鉛筆では難しいため、水彩色鉛筆ならではの魅力といえます。
初めは難しく感じるかもしれませんが、練習を重ねることで自由に表現できるようになりますよ。
写真を見ながら描くときの注意点
桜を描く際、写真を参考にすることはとても有効です。
しかし、写真をそのまま正確に再現しようとすると、かえって描きにくくなることがあります。
なぜなら、写真には膨大な情報が詰まっており、すべてを描こうとすると時間もかかり、細部にこだわりすぎて全体のバランスが崩れてしまうからです。
ですから、写真を参考にする場合は「どこを強調し、どこを省略するか」を意識することが大切。
たとえば、手前の桜はしっかり描き込むけれど、遠くの桜は簡略化する、といった具合です。
また、写真の色をそのまま使うのではなく、自分なりの色使いで描くことも重要。
写真通りに描こうとすると、どうしても硬い印象になってしまいがち。
自分の感じた桜の美しさや印象を大切にしながら、自由に表現してみましょう。
このように、写真はあくまで「参考資料」として活用し、自分らしい桜を描くことが上達への近道です。
まとめ
色鉛筆で桜を描くには、ピンク一色で塗りつぶすのではなく、白を残しながら薄く色を重ねることがポイントです。
花の中心部分は濃く、外側は淡くというグラデーションを意識し、輪郭線をはっきり描きすぎないことで、桜らしいふんわりとした雰囲気が生まれます。
また、一輪ずつ丁寧に描くのではなく、かたまりとして捉えることで、自然な遠近感や立体感を表現できます。
水彩色鉛筆を使えば、さらに柔らかく春らしい空気感も演出できますよ。
桜は日本の春を象徴する美しいモチーフです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、基本的なコツを押さえれば、誰でも素敵な桜が描けるようになります。
ぜひこの記事を参考に、あなただけの桜の絵を完成させてみてください!





