「色鉛筆でりんごをリアルに描きたいけど、どうしてもベタ塗りみたいになってしまう……」
そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
りんごは一見シンプルな形に見えますが、実際に描いてみると立体感やツヤを出すのが意外と難しいもの。
赤一色で塗ってしまったり、影を黒で描いてしまったりすると、どうしても平面的で不自然な仕上がりになってしまいます。
この記事では、色鉛筆でりんごをリアルに描くための具体的な手順を、下書きから色の重ね方、ツヤの出し方まで丁寧にお伝えしていきます。
初心者の方でも失敗しにくい色の順番や、100均の色鉛筆でも使えるテクニックもご紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
【失敗しない準備】描く前にココだけ押さえると”急に上手くなる”色鉛筆りんごの基本
いきなり描き始める前に、まずは基本となるポイントを押さえておきましょう。
実は、りんごを描く前の準備段階で「どこを意識するか」を理解しておくだけで、仕上がりのクオリティが驚くほど変わってきます。
ここでは、光源の決め方や必要な色の選び方、観察のコツなど、描く前に知っておくべき基礎知識をお伝えしていきます。
初心者の方が陥りがちな失敗パターンも取り上げていきますので、ぜひチェックしてみてください!
光源を決めると立体感が一気に出る理由
りんごをリアルに描くために最も重要なのが、光源の位置を決めることです。
なぜなら、光がどこから当たっているかを決めることで、明るい部分と暗い部分の配置が自然に決まり、立体感が生まれるからです。
たとえば、左上から光が当たっていると仮定すれば、左側が明るく、右下が暗くなります。
このように光源を明確にしておくと、色を塗る際に「ここは明るくする」「ここは影にする」という判断が迷わずできるようになります。
逆に、光源を決めずに描き始めると、明暗がバラバラになり、どこか不自然な印象になってしまうんですよね。
初心者の方は、まず「左上から光が当たっている」と設定するのがおすすめです。
この設定が最も自然で、描きやすいと感じる方が多いため。
光源を決めたら、紙の端に小さく矢印を描いておくと、塗っている途中で迷わなくなりますよ!
使用する色は赤だけじゃダメ?必要な色の最小セット
「りんごは赤いから、赤い色鉛筆だけあればいい」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、実際のりんごをよく観察してみると、赤だけでなく黄色やオレンジ、さらには紫や緑がかった部分も含まれています。
リアルなりんごを描くために最低限必要な色は、以下の7色です。
・黄色(レモンイエロー)
・オレンジ(または朱色)
・赤(スカーレット、バーミリオンなど)
・深い赤(クリムゾンなど)
・紫(バイオレット)
・茶色(ヘタ用)
・緑(ヘタ用)
これらの色を重ねることで、りんごの複雑な色合いと立体感を表現できます。
ちなみに、24色セットを持っている方であれば、ほぼ問題なく対応可能です。
さらに、影を描く際には黒を使わないのがポイント。
紫や深い赤、紺色などを使うことで、自然で深みのある影が表現できます。
このように、複数の色を重ねることがリアルさへの近道になりますので、最初から「赤一色」という考えは手放してみてください!
リンゴを観察すると見えてくる「形の特徴」ポイント3つ
りんごは一見すると丸い形に見えますが、実際にはいくつかの特徴的な形状を持っています。
これらのポイントを押さえることで、ただの丸ではない「りんごらしい形」が描けるようになります。
まず1つ目は、りんごは完全な球体ではなく、やや縦長の楕円形をしているという点です。
横から見たときに、上下方向に少し長い形になっています。
2つ目は、上部にヘタがあるくぼみと、下部にも小さなくぼみがあること。
このくぼみを描くことで、一気に「りんごらしさ」が増してきます。
そして3つ目が、側面から見ると五角形に近い形をしているという特徴です。
なぜなら、りんごには5つの角のような出っ張りがあり、完全に丸くはないからです。
これらの特徴を意識して観察すると、りんごの形が立体的に見えてきます。
実際のりんごや写真を手元に置いて、じっくり観察してから描き始めることをおすすめします!
初心者が最初にやりがちなNG例とカンタン回避法
初心者の方がりんごを描く際、いくつかの典型的な失敗パターンがあります。
これらを事前に知っておくだけで、失敗を避けられますので、ぜひチェックしてみてください。
まず最も多いのが、いきなり赤から塗り始めてしまうパターンです。
赤から塗ると、後から明るい色を重ねても発色しにくく、平面的な仕上がりになってしまいます。
回避法としては、必ず黄色やオレンジなどの明るい色から塗り始めること。
この順番を守るだけで、透明感のあるリアルなりんごに近づけます。
次に多いのが、影を黒で描いてしまうケースです。
黒を使うと不自然で重たい印象になるため、紫や深い赤、紺色などを使って影を作るようにしてみてください。
また、筆圧が最初から強すぎるのもNG。
なぜなら、一度強く塗ってしまうと、その上から色を重ねにくくなるからです。
最初は軽い筆圧で薄く塗り、徐々に重ねながら濃くしていく方法が失敗を防ぐコツになります。
これらのポイントを意識するだけで、初心者の方でもぐっとクオリティが上がりますよ!
【初心者OK】丸じゃなく”リンゴらしい形”が描ける下書きのコツ
リアルなりんごを描くためには、下書きの段階で「りんごらしい形」をしっかり作っておくことが大切です。
単なる丸ではなく、りんごの特徴的な形を捉えることで、色を塗る前から完成度が決まってきます。
ここでは、初心者の方でも簡単にりんごらしい形が描ける下書きのコツをお伝えしていきます。
くぼみやヘタの位置の決め方、線が汚れない描き方なども取り上げていきますので、ぜひ参考にしてみてください!
丸から”リンゴの五角形”に近づける簡単ガイド
りんごの形を正確に捉えるために、まずは円を描くところから始めましょう。
ただし、完全な正円ではなく、やや縦長の楕円を意識してみてください。
円が描けたら、次にりんごの特徴である「五角形」の形を加えていきます。
なぜなら、りんごを上から見ると、5つの角のような出っ張りがあるからです。
具体的には、円の外側に5箇所、小さな出っ張りを描き足していきます。
上部・右上・右下・左下・左上の5箇所に、ほんの少しだけ膨らみを加えるイメージです。
このとき、出っ張りを大げさに描く必要はありません。
あくまで「円よりも少しだけ角ばっている」程度の微妙な変化で十分。
また、りんごは横から見ると縦長ですが、上から見ると横幅もある立体的な形をしています。
そのため、楕円の形も意識しながら、全体のバランスを整えていくことが大切です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、実際のりんごを観察しながら描くと、自然と形が掴めてきますよ!
くぼみ・ヘタの位置を決めるだけでプロっぽく見える
りんごらしさを一気に引き出すポイントが、くぼみとヘタの描き込みです。
この2つをしっかり描くだけで、ただの丸が「りんご」に見えてきます。
まず、上部のくぼみは円の中心よりもやや上に配置してみてください。
なぜなら、実際のりんごは上部にヘタがある凹みがあり、そこが視覚的な中心になるからです。
くぼみの形は、小さな楕円形または円形で描きます。
深さを表現するために、くぼみの周囲に軽く影のような線を添えると、立体感が出てきますよ。
次に、ヘタは上部のくぼみの中心から上に向かって伸びる小さな枝のような形で描いていきます。
長さは全体のバランスを見ながら調整しますが、りんごの高さの10分の1程度が自然です。
さらに、りんごの下部にも小さなくぼみがあります。
こちらは上部ほど深くありませんが、小さな点または浅い円で表現するだけでリアル感が増します。
くぼみとヘタの位置が決まると、りんご全体のバランスが整い、プロが描いたような仕上がりに近づいていきます!
線が汚れない下書きの描き方(鉛筆の硬さ・消し方)
下書きの線が濃すぎると、色鉛筆で塗った後も線が透けて見えてしまい、仕上がりが汚く見えることがあります。
そのため、下書きは薄く・軽く描くことが基本です。
使用する鉛筆の硬さは、HまたはFがおすすめ。
なぜなら、これらの硬さは薄い線が描けて、後から消しゴムで消しやすいからです。
逆に、2BやBなど柔らかい鉛筆は線が濃く残りやすく、消したときに紙に跡が残ってしまうため避けた方が無難です。
筆圧も軽めを意識して、紙に引っかからない程度の力加減で描いていきましょう。
また、下書きの線を消すタイミングも重要です。
色を塗り始める前に、不要な線は練り消しゴムで軽く押さえるようにして消しておくと、紙を傷めずに済みます。
練り消しゴムは、普通の消しゴムと違って紙の表面を削らないため、色鉛筆の下地作りに最適。
もし持っていない場合は、普通の消しゴムでも優しく叩くようにして消せば、線を薄くできます。
このように、下書きの段階から「後の仕上がり」を意識しておくと、クオリティの高い作品が完成しますよ!
写真を見て描くときの”見方のコツ”
実物のりんごがない場合、写真を見ながら描くことも多いですよね。
しかし、写真をそのまま見て描こうとすると、どこから手をつければいいか迷ってしまうことがあります。
写真を見て描くときのコツは、まず全体の形を大まかに捉えることです。
細部を見る前に、りんご全体が「どんな楕円形をしているか」「どこが明るくてどこが暗いか」を観察してみてください。
次に、明暗の境界線がどこにあるかを確認します。
なぜなら、この境界線が立体感を生み出す最も重要なポイントだからです。
明るい部分と暗い部分の境目をざっくりと線で区切ってみると、どこに影を入れるべきかが明確になってきます。
また、ハイライト(最も明るく光っている部分)の位置も、この段階でチェックしておきましょう。
さらに、写真を白黒にして見てみるのも効果的です。
色情報がなくなることで、明暗の差がはっきりと見えて、立体感を掴みやすくなります。
このように、写真を「形」「明暗」「ハイライト」の3つの視点で観察することで、描きやすさが格段にアップしますよ!
【Step1:薄い色】黄色→オレンジで”光の下地”を作るとリアルに近づく理由
ここからは、実際に色を塗っていく工程に入ります。
リアルなりんごを描くために最も重要なのが、最初に薄い色から塗り始めるということです。
黄色やオレンジなどの明るい色で下地を作ることで、透明感のある発色が生まれ、後から重ねる赤系の色がより鮮やかに映えてきます。
ここでは、なぜ明るい色から塗るべきなのか、どのように筆圧をコントロールすればいいのかを詳しくお伝えしていきます!
なぜ赤から塗ると失敗しやすいのか?(初心者の落とし穴)
「りんごは赤いから、赤から塗ればいい」と考えてしまうのは、初心者の方が最も陥りやすい失敗パターンです。
しかし、赤から塗り始めると、いくつかの問題が起こります。
まず1つ目は、明るい色が後から重ねられなくなることです。
なぜなら、色鉛筆は「明るい色が濃い色に負けてしまう」という特性があるからです。
赤を先に塗ってしまうと、その上から黄色やオレンジを重ねても、ほとんど発色しません。
結果として、りんごの明るい部分が表現できず、全体が暗く重たい印象になってしまいます。
2つ目の問題は、立体感が出にくくなることです。
明るい色から塗ることで、光が当たっている部分と影の部分の差を自然に作り出せますが、赤から塗るとその差が曖昧になってしまうんですよね。
また、赤を最初に濃く塗ってしまうと、後から修正がほとんど効きません。
色鉛筆は一度濃く塗ると、その色を消したり薄くしたりすることが難しい画材です。
このように、赤から塗ると失敗のリスクが高まるため、必ず黄色やオレンジなどの明るい色から始めることを心がけてみてください!
まず黄色を塗ると透明感が出る”色の仕組み”
色鉛筆で透明感を出すためには、明るい色を最初に塗ることが不可欠です。
特に黄色は、りんごの透明感や瑞々しさを表現するための重要な下地になります。
実際のりんごをよく観察すると、表面には黄色やオレンジがかった部分が必ず含まれています。
なぜなら、りんごの皮は赤一色ではなく、黄色やオレンジのグラデーションが混ざり合っているからです。
黄色を最初に塗ることで、紙の白さと黄色が混ざり合い、光が透けているような効果が生まれます。
この下地があることで、後から重ねる赤やオレンジが自然な発色になり、深みのある色合いが表現できるんですよね。
また、色鉛筆は透明度が高い画材なので、下の色が透けて見える特性があります。
つまり、黄色の上に赤を重ねることで、オレンジがかった温かみのある赤が生まれるという仕組みです。
このように、黄色から塗り始めることは、単なる手順ではなく、色の仕組みを活かした理にかなった方法なんですよ!
筆圧は弱め!重ね塗りしやすいベース作りのポイント
色鉛筆でリアルな表現をするためには、重ね塗りが欠かせません。
そして重ね塗りをスムーズに行うためには、最初の筆圧を弱めにすることが重要です。
筆圧が強すぎると、紙の表面が色鉛筆の粉で埋まってしまい、その上から色を重ねても乗りにくくなります。
なぜなら、紙の凹凸が潰れてしまい、色鉛筆の芯が引っかからなくなるからです。
理想的な筆圧は、紙に軽く触れる程度の力加減。
まるで紙を撫でるように、優しく色を置いていくイメージです。
最初は「これで本当に色がついているのかな?」と不安になるくらい薄くて大丈夫。
薄く塗ったベースの上に、何度も色を重ねていくことで、徐々に深みのある発色が生まれてきます。
また、筆圧をコントロールするコツとして、色鉛筆を持つ位置を工夫してみてください。
鉛筆の先端から遠い位置を持つと、自然と力が抜けて軽い筆圧で塗れます。
このように、最初は弱い筆圧で薄く塗り、徐々に重ねていく方法が、リアルなりんごを描くための基本テクニックになりますよ!
縦方向・回転ストロークでリンゴの丸みを出す方法
りんごの丸みや立体感を表現するためには、塗り方の方向も重要なポイントです。
ただ適当に塗るのではなく、丸みに沿った塗り方を意識することで、ぐっとリアルさが増してきます。
おすすめの塗り方は、縦方向のストロークと回転ストロークの組み合わせです。
まず縦方向のストロークとは、りんごの上から下に向かって、縦に色鉛筆を動かす塗り方のこと。
この塗り方をすることで、りんごの縦の丸みが自然に表現できます。
なぜなら、縦方向に塗ることで、りんごの表面が滑らかに見えるからです。
次に回転ストロークとは、りんごの丸い形に沿って、円を描くように色鉛筆を動かす塗り方になります。
この方法は、特に明暗の境界線付近で効果的です。
回転ストロークを使うことで、丸みのあるグラデーションが作りやすくなり、立体感が一気に増します。
また、横方向の一方向塗りは避けた方が無難です。
なぜなら、横方向だけで塗ると、りんごが平たく見えてしまい、球体の丸みが表現しにくいから。
縦方向と回転ストロークを組み合わせることで、自然な立体感が生まれますので、ぜひ試してみてください!
【24色セット対応】代用できる色レシピ一覧
「専門的な色鉛筆を持っていない」「24色セットしかない」という方でも、十分リアルなりんごが描けます。
ここでは、一般的な24色セットで代用できる色の組み合わせをご紹介していきます。
まず、黄色の下地には「黄色(イエロー)」をそのまま使用してください。
ほとんどの24色セットに含まれている基本色で対応可能です。
次に、オレンジがセットに含まれていない場合は、黄色と赤を混ぜることでオレンジ色を作れます。
黄色を先に薄く塗り、その上から薄く赤を重ねるとオレンジになりますよ。
赤系の色については、「赤(レッド)」と「ピンク」を組み合わせて使います。
明るい部分はピンク、中間はレッド、影の部分は深い赤という風に使い分けてみてください。
紫がない場合は、赤と青を重ねることで紫を作れます。
影の部分に使う紫は、赤を多めに、青を少なめに重ねると自然な色合いになります。
また、深い赤がない場合は、赤の上から茶色を薄く重ねることで深みを出せます。
ヘタ部分は茶色と緑を重ねて表現可能です。
このように、24色セットでも色の組み合わせと重ね方を工夫することで、十分リアルなりんごが描けますので、安心して挑戦してみてください!
【Step2:濃い色】赤・朱・紫を重ねる”立体感UPテク”|影は黒を使わないのが鉄則
黄色とオレンジで下地ができたら、次は赤系の色を重ねていく段階に入ります。
ここでは、りんごの立体感を一気に引き出すための濃い色の重ね方をお伝えしていきます。
特に重要なのが、影の部分に黒を使わないこと。
紫や深い赤、紺色などを使うことで、自然で深みのある影が表現できます。
それでは、具体的な色の重ね方や筆圧のコントロール方法、失敗したときのリカバリー方法まで詳しく見ていきましょう!
深みが出る色の順番レシピ(初心者でも失敗しない)
濃い色を重ねる際は、順番を間違えないことが成功の鍵になります。
ここでは、初心者の方でも失敗しにくい色の重ね順をご紹介していきます。
まず、黄色とオレンジで下地を作った後、最初に重ねるのは「朱色」または「明るめの赤」です。
なぜなら、いきなり濃い赤を使うと、色が濃くなりすぎて調整が難しくなるからです。
朱色をりんご全体に薄く重ねることで、オレンジから赤へのグラデーションが自然に作れます。
このとき、明るい部分(光が当たっている部分)は薄めに、中間部分は少し濃いめに塗っていきましょう。
次に重ねるのが「赤(スカーレットやバーミリオン)」です。
りんごの中間色から影に近い部分に、徐々に濃く塗り重ねていきます。
そして、最も暗い影の部分には「深い赤(クリムゾン)」や「紫」を使います。
この段階で、立体感が一気に増してくるはずです。
最後に、最も深い影の部分やヘタ周りのくぼみには「紫」または「紺色」を薄く重ねてみてください。
この一手間で、プロのような深みのある仕上がりになりますよ!
黒を使わない影づくり:紫・紺・深赤の使い方
影を表現する際、黒を使ってしまうと不自然で重たい印象になります。
なぜなら、実際の物体の影は黒ではなく、その物体の色が濃くなった状態だからです。
りんごの場合、影の部分は「赤が濃くなった色」なので、深い赤や紫、紺色を使うことで自然な影が作れます。
まず、影の部分には深い赤(クリムゾン)を重ねてみてください。
深い赤を薄く塗り重ねることで、赤みを保ちながら暗さを出せます。
次に、さらに深い影の部分には紫を加えていきましょう。
紫は赤と青が混ざった色なので、りんごの影にも自然に馴染みます。
特に、光が全く当たっていない最も暗い部分に紫を使うと、深みが出てきますよ。
また、紺色(ダークブルー)も影作りに効果的です。
なぜなら、青系の色を少し加えることで、影に冷たさや奥行きが生まれるからです。
ただし、紺色は使いすぎると不自然になるため、ほんの少しだけ最も暗い部分に加える程度にしてみてください。
このように、黒を避けて複数の色を重ねることで、リアルで美しい影が完成します!
“吸い込まれるように塗る”ヘタ周りの描き込みテクニック
ヘタ周りのくぼみは、りんごのリアルさを左右する重要なポイントです。
ここをしっかり描き込むことで、立体感が一気に増し、プロのような仕上がりになります。
ヘタ周りのくぼみは、光が届きにくい場所なので、他の部分よりも暗く描く必要があります。
まず、くぼみの外側から内側に向かって、徐々に色を濃くしていくイメージで塗っていきましょう。
具体的には、くぼみの縁に深い赤を置き、中心に向かって紫や茶色を重ねていきます。
なぜなら、くぼみの奥は最も暗い部分なので、濃い色を集中させることで深さが表現できるからです。
また、くぼみの周囲には、影のグラデーションを丁寧に作ることが大切です。
急に色が濃くなるのではなく、少しずつ色を重ねながら、滑らかに暗くしていきます。
さらに、ヘタ自体も茶色と緑を使って立体的に描いてみてください。
ヘタの下側(くぼみに近い部分)は暗く、上側は明るくすることで、ヘタにも丸みが出ますよ。
このように、ヘタ周りを丁寧に描き込むことで、りんご全体の完成度が格段にアップしますので、ぜひ時間をかけて仕上げてみてください!
筆圧を少しずつ上げるとリアルになる(段階的に強くする方法)
色鉛筆でリアルな表現をするためには、筆圧を段階的に上げていくことが重要です。
最初から強い筆圧で塗ると、後から修正が効かず、色も濃くなりすぎてしまいます。
基本的な筆圧のコントロール方法は、以下の3段階です。
1段階目:下地を作るときは、紙に軽く触れる程度の筆圧で薄く塗ります。
この段階では、色がほとんど見えないくらい薄くても大丈夫です。
2段階目:色を重ねるときは、少しだけ筆圧を上げて、色が見えてくる程度に塗っていきます。
まだ紙の白さが少し透けて見える程度の濃さが理想的。
3段階目:最終的な仕上げや影の部分では、筆圧を上げて濃くしっかりと塗ります。
ただし、ここでも一気に強く塗るのではなく、何度か重ねながら濃くしていくことがポイントです。
このように段階的に筆圧を上げることで、色の深みやグラデーションが自然に作れます。
なぜなら、急激に濃くすると境目がはっきりしすぎて、不自然な仕上がりになってしまうからです。
また、筆圧を上げる際は、一度に広い範囲を塗るのではなく、小さな範囲ずつ丁寧に塗っていくと失敗しにくくなりますよ!
濁ってしまったときのリカバリー方法
色を重ねすぎたり、色の組み合わせを間違えたりすると、りんごの色が濁ってしまうことがあります。
しかし、濁ってしまった場合でも、いくつかのリカバリー方法がありますので、諦めずに対処してみてください。
まず、濁りが軽度の場合は、その上から明るい色(黄色やオレンジ)を薄く重ねることで、鮮やかさを取り戻せることがあります。
なぜなら、明るい色を重ねることで、濁った部分が少し明るくなり、全体のトーンが整うからです。
次に、濁りが濃い場合は、練り消しゴムで軽く叩くようにして色を薄くする方法があります。
練り消しゴムを濁った部分に優しく押し当て、色を少し吸い取るイメージで使ってみてください。
ただし、この方法は紙の表面を傷める可能性があるため、優しく行うことが大切です。
また、色を薄くした後は、再度正しい色で塗り直していきましょう。
さらに、どうしても濁りが取れない場合は、その部分を「影」として活かす方法もあります。
濁った部分を影の一部として捉え、周囲の色と馴染ませることで、自然に見せることができますよ。
このように、失敗しても対処法はいくつかありますので、焦らず冷静に対応してみてください!
【Step3:仕上げ】ツヤ・反射光・影の入れ方で”プロみたいな仕上がり”に変わる
ここまでで、りんごの基本的な形と色が完成しました。
最後の仕上げ段階では、ツヤや反射光、影を加えることで、リアルさが一気に増します。
この仕上げの工程を丁寧に行うかどうかで、作品のクオリティが大きく変わってきますので、最後まで気を抜かずに取り組んでいきましょう。
それでは、具体的な仕上げのテクニックを詳しくお伝えしていきます!
ツヤを出す”塗り残し・練り消し”テクの違いと使い分け
りんごのツヤを表現する方法には、大きく分けて2つのテクニックがあります。
1つ目は「塗り残し」、2つ目は「練り消しゴム」を使った方法です。
まず、塗り残しテクニックとは、最初から光が当たる部分を塗らずに残しておく方法のこと。
なぜなら、紙の白さを活かすことで、最も明るいハイライトが表現できるからです。
この方法は計画的に塗り残す必要があるため、色を塗り始める前に「ここは塗らない」と決めておくことが重要になります。
ハイライトの位置は、光源の方向を考えて、最も光が当たる場所に設定しましょう。
一方、練り消しゴムを使う方法は、すでに塗った部分の色を後から抜き取る方法です。
練り消しゴムを細く丸めて、ハイライトを入れたい部分に軽く押し当てることで、白さを取り戻せます。
この方法は、塗り残しを忘れてしまった場合や、後からハイライトの位置を調整したいときに便利です。
ただし、色を濃く塗りすぎている場合は、完全に白く戻すのは難しいため、できれば塗り残しを優先することをおすすめします。
また、両方の方法を組み合わせて使うことも可能。
大きなハイライトは塗り残し、細かい光の反射は練り消しで追加するという使い分けをすると、より自然な仕上がりになりますよ!
床からの反射光を入れると丸みが一気に増す理由
リアルなりんごを描くために見落としがちなのが、床からの反射光です。
実は、この反射光を入れるだけで、りんごの丸みと立体感が劇的に増します。
反射光とは、りんごの下側(床に近い部分)に映り込む、床からの光のこと。
なぜなら、床に置かれた物体には、床からの光が下から反射して当たるからです。
具体的には、りんごの下側の影の部分に、ほんの少しだけ明るい色を加えます。
たとえば、影が紫や深い赤で描かれている場合、その下側の縁に沿ってオレンジや黄色を薄く入れてみてください。
このとき、反射光を入れすぎると不自然になるため、「ほんのり明るい」程度にとどめることがポイントです。
また、反射光は影の中で最も明るい部分ではなく、影の縁に沿って細く入れると自然に見えます。
反射光を入れることで、りんごが床から浮いているのではなく、しっかりと床に置かれている印象が出てきますよ。
さらに、この反射光が球体の丸みを強調し、より立体的に見せる効果もあります。
ぜひ仕上げの段階で反射光を意識してみてください!
影(落ち影)の形・濃さ・方向の決め方
りんごの下に落ちる影(落ち影)は、作品全体のリアルさを大きく左右する要素です。
影を正しく描くことで、りんごが空中に浮いているのではなく、しっかりと床に置かれている印象を与えられます。
まず、影の方向は光源の位置によって決まります。
なぜなら、光が当たる方向と反対側に影ができるからです。
たとえば、左上から光が当たっている場合、影はりんごの右下に伸びる形になります。
光源を決めた段階で、影の方向も一緒に決めておくとスムーズです。
次に、影の形ですが、りんごの形に沿った楕円形が基本になります。
ただし、完全な楕円ではなく、りんごに近い部分は濃く、遠ざかるにつれて薄くなるグラデーションをつけましょう。
影の濃さは、りんごの真下が最も濃く、離れるほど薄くなっていきます。
また、影の色は黒ではなく、紫や紺、グレーを使うことで自然な印象になりますよ。
影を描く際は、りんごの下側から始めて、徐々に外側に向かって薄く伸ばしていくイメージで塗ってみてください。
このように影を丁寧に描くことで、作品全体の完成度がぐっと高まります!
仕上げの調整でクオリティが2倍になるチェックポイント
りんごが一通り描けたら、最後に全体を見直して調整する時間を取りましょう。
この仕上げの調整が、作品のクオリティを大きく左右します。
まず1つ目のチェックポイントは、明暗のコントラストが十分かどうかです。
なぜなら、明るい部分と暗い部分の差が弱いと、立体感が出ず平面的に見えてしまうからです。
作品を少し離れた位置から見て、明暗がはっきりしているか確認してみてください。
もし全体的にぼんやりしている場合は、影の部分をさらに濃くするか、ハイライトをもっと明るくしましょう。
2つ目のチェックポイントは、色のグラデーションが滑らかかどうかです。
急に色が変わっている部分があると、不自然に見えてしまいます。
境界線が気になる場合は、その部分に中間色を薄く重ねて、グラデーションを滑らかにしてみてください。
また、全体の色のバランスも確認しましょう。
赤が強すぎる、黄色が弱すぎるなど、色のバランスが偏っていないかチェックすることが大切です。
必要に応じて、薄く色を重ねてバランスを整えていきます。
最後に、細部の描き込みが甘い部分がないかも確認してみてください。
特にヘタ周りのくぼみや影の部分は、丁寧に描き込むことで完成度が上がりますよ!
【もっと上達したい人へ】道具・紙選び・時短ワザ・かわいいアレンジまで完全ガイド
ここまでで、基本的なりんごの描き方はマスターできました。
さらに上達したい方のために、道具選びのコツや時短テクニック、アレンジ方法などをご紹介していきます。
100均の色鉛筆でどこまで描けるのか、プロ用の色鉛筆との違いは何か、といった疑問にもお答えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください!
100均の色鉛筆でも”ここまで描ける”再現度チェック
「高価な色鉛筆を買わないとリアルなりんごは描けない」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、100均の色鉛筆でも、工夫次第で十分リアルなりんごが描けます。
100均の色鉛筆の特徴は、発色がやや薄く、重ね塗りに少し時間がかかることです。
なぜなら、芯が硬めで、色の粒子が細かくないため、一度に濃く塗れないからです。
ただし、これは必ずしもデメリットではありません。
薄く塗れるということは、重ね塗りがしやすく、失敗しにくいとも言えます。
100均の色鉛筆で描く場合は、通常よりも多く色を重ねることを意識してみてください。
3回重ねるところを5回、5回重ねるところを8回というように、回数を増やせば十分な発色が得られます。
また、紙選びも重要です。
100均の色鉛筆を使う場合は、表面が滑らかなケント紙や画用紙を選ぶと、色がしっかり乗りやすくなりますよ。
このように、100均の色鉛筆でもテクニック次第でリアルなりんごが描けますので、まずは手持ちの道具で挑戦してみることをおすすめします!
おすすめ色鉛筆(ホルベイン・ポリクロモス・色辞典)特徴まとめ
もっと本格的に色鉛筆画を楽しみたい方のために、おすすめの色鉛筆をご紹介していきます。
それぞれ特徴が異なりますので、自分の好みや予算に合わせて選んでみてください。
まず、ホルベイン アーチスト色鉛筆は、日本のメーカーが作る高品質な色鉛筆です。
発色が鮮やかで、重ね塗りがしやすく、初心者からプロまで幅広く愛用されています。
価格も比較的手頃で、1本150円程度から購入できるため、少しずつ揃えていくことも可能。
特に、赤系や黄色系の発色が美しく、りんごを描くのに最適です。
次に、ファーバーカステル ポリクロモス色鉛筆は、ドイツ製の高級色鉛筆になります。
なぜなら、芯が非常に柔らかく、滑らかな塗り心地が特徴だからです。
重ね塗りがしやすく、深みのある色が出せるため、プロの作家にも人気があります。
ただし、価格はやや高めで、1本200円〜300円程度です。
最後に、トンボ鉛筆 色辞典は、日本的な繊細な色合いが魅力の色鉛筆。
特に、微妙なニュアンスカラーが豊富で、和風のりんごやイラスト風の表現に向いています。
価格は1本100円程度とリーズナブルで、初心者の方でも手が出しやすいのが嬉しいポイントです。
それぞれの特徴を理解して、自分に合った色鉛筆を選んでみてください!
紙の違いで変わる発色と質感(スケッチブック・水彩紙)
色鉛筆で描く際、紙選びも仕上がりに大きく影響します。
紙の種類によって、発色や質感が変わってくるため、自分の好みに合った紙を見つけることが大切です。
まず、一般的な画用紙やスケッチブックは、表面が適度に凹凸があり、色鉛筆の色が乗りやすい特徴があります。
なぜなら、紙の凹凸が色鉛筆の芯を引っかけて、色が定着しやすいからです。
初心者の方は、まず画用紙やスケッチブックから始めることをおすすめします。
価格も手頃で、重ね塗りもしやすく、失敗しても気軽に描き直せますよ。
次に、水彩紙は表面の凹凸が強く、独特の質感を楽しめる紙です。
水彩紙に色鉛筆で描くと、紙の凹凸が活かされて、柔らかく温かみのある仕上がりになります。
ただし、水彩紙は表面が粗いため、細かい描き込みがやや難しい場合があります。
リアルなりんごを描く場合は、中目〜細目の水彩紙を選ぶとバランスが良いでしょう。
また、ケント紙は表面が非常に滑らかで、細密な描写に向いています。
発色は画用紙よりもやや薄くなりますが、細かい線やシャープな表現がしやすいのが特徴です。
このように、紙によって仕上がりの印象が変わりますので、いろいろ試してみることをおすすめします!
短時間で描ける”時短バージョン”の工程紹介
「じっくり描く時間がない」「もっと気軽にりんごを描きたい」という方のために、時短バージョンの描き方をご紹介していきます。
ポイントを押さえれば、30分程度でもそれなりに見栄えのするりんごが描けますよ。
まず、下書きは簡略化して、円とヘタの位置だけ描きます。
なぜなら、細かい形にこだわらなくても、色の塗り方次第でりんごらしく見えるからです。
次に、色の重ね方を3段階に絞ります。
1段階目は黄色とオレンジの下地、2段階目は赤の重ね塗り、3段階目は影とハイライトの仕上げです。
通常は5〜6段階かけて色を重ねますが、時短版では最小限の3段階で完成させましょう。
また、筆圧を少し強めにして、一度に濃く塗ることで、重ね塗りの回数を減らせます。
ただし、筆圧を強くしすぎると失敗しやすいため、ほどほどに調整してみてください。
さらに、影は簡単な楕円形で描き、細かいグラデーションは省略してもOKです。
ハイライトも、練り消しゴムを使わず、最初から塗り残しておく方が時短になります。
このように、工程を絞り込むことで、短時間でもりんごらしい作品が完成しますので、ぜひ試してみてください!
リアルだけじゃない!かわいい・イラスト風の描き方も紹介
リアルなりんごだけでなく、かわいいイラスト風のりんごも魅力的です。
ここでは、リアル路線とは違ったアレンジ方法をご紹介していきます。
まず、かわいいイラスト風に仕上げるには、輪郭線を残すことがポイントです。
なぜなら、輪郭線があることで、イラストらしいポップな印象になるからです。
下書きの線を消さずに、黒やこげ茶の色鉛筆でしっかりとなぞってみてください。
この輪郭線が、イラスト風の雰囲気を作り出します。
次に、色の塗り方もリアル版とは変えていきましょう。
イラスト風の場合は、グラデーションを少なくして、ベタ塗りに近い塗り方をすると可愛らしく仕上がります。
また、ハイライトを大きめに入れたり、ハートマークや星マークを描き込んだりするのも可愛いアレンジです。
さらに、背景に水玉模様やストライプを入れると、ポップな作品になりますよ。
色の選び方も、リアルなりんごの色にこだわらず、ピンクや水色などの好きな色を使ってみてください。
このように、自由な発想でアレンジすることで、オリジナリティのある作品が生まれます。
リアルなりんごを描けるようになったら、次はイラスト風にも挑戦してみることをおすすめします!
まとめ
色鉛筆でりんごをリアルに描くためには、光源を決めること、黄色から塗り始めること、黒を使わずに影を作ることがポイントです。
下書きでりんごの形をしっかり捉え、薄い色から濃い色へと段階的に重ねていくことで、透明感のある立体的なりんごが完成します。
最初は難しく感じるかもしれませんが、手順を守って丁寧に描いていけば、初心者の方でも必ずリアルなりんごが描けるようになりますよ。
100均の色鉛筆でも工夫次第で十分美しく仕上がりますので、まずは気軽に挑戦してみてください。
何度も描くうちに、色の重ね方や筆圧のコントロールが自然と身についてきます。
ぜひ、この記事を参考にしながら、楽しみながら色鉛筆画の世界を広げていってくださいね!





