「色鉛筆画を始めたいけど、何から描けばいいのかわからない……」
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
色鉛筆は手軽に始められる画材ですが、いざ描こうとすると「どんな題材を選べばいいの?」「いきなり難しいものに挑戦して失敗したらどうしよう」と不安になるものです。
実は、初心者の題材選びには明確なコツがあります。
この記事では、初心者でも今日から描けるおすすめの題材10選と、挫折しないための練習ステップをお伝えしていきます。
さらに、失敗しやすい題材と代わりの選択肢も取り上げていくので、迷わず上達への道を進んでいけますよ!
【まず知りたい】初心者が「題材選び」で迷う理由とは?描けるモチーフの見つけ方
色鉛筆を買ったはいいものの、「さて、何を描こう?」と手が止まってしまう。
これは初心者あるあるの悩みです。
なぜ題材選びでこんなにも迷ってしまうのか、そしてどうやって自分に合ったモチーフを見つければいいのか。
ここでは、その理由と解決策をお話ししていきます!
なぜ初心者は題材が決められない?心理とハードル
初心者が題材を決められない最大の理由は、「失敗したくない」という心理です。
せっかく描くなら上手に仕上げたいと考えるあまり、かえって一歩が踏み出せなくなってしまうんですよね。
また、SNSやイラスト投稿サイトで見る作品があまりにも素敵すぎて、「自分にはこんな風に描けない」とハードルを上げてしまうことも。
結果として、「何を描いても中途半端になりそう」という不安が生まれます。
さらに、題材選びには「技術的な判断」も必要になってきます。
例えば、バラのような複雑な形は初心者には難しいですし、ガラスのような透明感を出すには高度なテクニックが求められるもの。
つまり、初心者は「自分の実力と題材の難易度がマッチしているかわからない」という状態なんです。
だからこそ、題材選びで迷ってしまうのは当然のこと。
題材選びで失敗しないためのポイント
では、どうすれば失敗せずに題材を選べるのでしょうか。
答えはシンプルで、「形がシンプル」「色数が少ない」「完成イメージが湧きやすい」この3つを満たすものから始めることです。
まず、形がシンプルなモチーフは描きやすく、初心者でも完成までたどり着きやすいという利点があります。
例えば、丸い果物や四角いマグカップなどは、基本的な形を押さえるだけでそれらしく見えるんです。
次に、色数が少ないモチーフを選ぶことも重要。
色鉛筆は色を重ねて表現するため、最初から複雑な色使いに挑戦すると混乱してしまいます。
単色、または2〜3色程度で仕上がるものから練習していくといいでしょう。
そして、完成イメージが湧きやすいモチーフを選ぶこと。
実物を見ながら描けるものや、写真を参考にできるものなら、「こう描けばいいんだ」というゴールが明確になります。
このように、3つのポイントを意識するだけで、題材選びの失敗はぐっと減らせますよ!
最初は「描けそう」を基準に選んでOKな理由
「上手に描きたい」という気持ちはよくわかります。
しかし、初心者のうちは「描けそう」という感覚を何より大切にしてください。
なぜなら、色鉛筆画の上達には「描く回数」が何よりも重要だからです。
難しい題材に挑戦して途中で挫折するより、簡単なものをたくさん描いた方が確実にスキルアップできます。
また、「描けそう」と感じるモチーフは、あなたの今の実力にちょうど合っているサインでもあるんです。
無理なく挑戦できるレベルだからこそ、楽しく続けられますし、完成したときの達成感も大きくなります。
さらに、簡単な題材から始めることで、色鉛筆の基本的な使い方や塗り方のコツを身につけられるというメリットも。
これは、将来的に複雑なモチーフを描くための土台作りになるんです。
ですから、「こんな簡単なものでいいのかな?」と迷う必要はありません。
「描けそう!」という直感を信じて、どんどん手を動かしていきましょう!
【初心者でも描ける】今日から描ける色鉛筆のおすすめ題材10選(理由付き)
ここからは、初心者でも今日から挑戦できる具体的な題材を10個ご紹介していきます。
それぞれ「なぜ初心者におすすめなのか」という理由も添えていくので、自分に合いそうなものから試してみてください!
形がシンプルで描きやすい題材(例:りんご・柿・卵)
最初におすすめしたいのが、形がシンプルな題材です。
りんごや柿などの丸い果物は、色鉛筆画の入門として定番中の定番。
基本的な球体の描き方を学べるうえ、光と影の表現も練習できます。
特にりんごは赤という単色で描けるため、色の重ね方やグラデーションの作り方を集中的に学べるのが魅力。
また、スーパーで手軽に手に入るので、実物を見ながら描けるという利点もあります。
一方、卵は白〜クリーム色という微妙な色合いを表現する練習になります。
シンプルな形だからこそ、光の当たり方による明暗の違いがはっきりと見えるんです。
さらに、柿は丸みを帯びた四角形という独特の形をしているため、完全な球体よりも少しだけ挑戦的。
オレンジ色のグラデーションも美しく、描き上げたときの満足感が高いモチーフです。
このように、シンプルな形の題材は基礎を固めるのに最適なんです!
色の変化を楽しめる題材(例:葉っぱ・観葉植物)
次におすすめしたいのが、葉っぱや観葉植物といった植物系のモチーフ。
葉っぱは一見シンプルに見えますが、実は緑の濃淡や葉脈など、細かな表現を学べる題材なんです。
しかも、公園や庭で簡単に手に入るので、コストゼロで始められるのも嬉しいポイント。
特に秋の紅葉した葉っぱは、赤・黄・オレンジと色が混ざり合っていて、色の重ね方を自然に学べます。
「この部分は黄色を先に塗って、その上から赤を重ねると……」といった実験的な描き方も楽しめますよね。
また、観葉植物は葉の形や色が多様なので、飽きずに描き続けられるのが魅力。
例えば、モンステラのような大きな葉は描きごたえがありますし、ポトスのようなつる性の植物は動きのある構図を学べます。
さらに、植物は「少しくらい形が違っていても気にならない」という初心者に優しい特徴も。
完璧に描こうとしなくても、それなりに見えるので、プレッシャーを感じにくいんです。
色の変化を楽しみながら上達したい方には、植物系の題材がぴったりですよ!
かわいい・SNS映えする題材(例:ドーナツ・キャンディ)
「描いていて楽しい」というモチベーションも、初心者には大切な要素。
そこでおすすめなのが、ドーナツやキャンディといったスイーツ系の題材です。
ドーナツはカラフルなアイシングやトッピングが魅力的で、描いているだけでワクワクしてきます。
円形という基本的な形なので描きやすく、しかもチョコレートのツヤ感やスプリンクルの質感など、表現の幅も広いんです。
また、キャンディは透明感のある包み紙や鮮やかな色が特徴。
小さなモチーフなので短時間で完成しますし、複数個並べて描くと華やかな作品になります。
さらに、これらのスイーツ系モチーフはSNSで映えるという利点も。
完成した作品をInstagramやXにアップすれば、同じ趣味の仲間と繋がるきっかけにもなりますよね。
ただし、スイーツ系を描くときは「完璧な透明感」を目指さないことが大切。
初心者のうちは、色を楽しみながら「それっぽく」描ければ十分です。
楽しみながら練習したい方は、ぜひかわいいモチーフから始めてみてください!
線画でも成立する題材(例:マグカップ・文房具)
色鉛筆画というと「塗り絵」のイメージが強いかもしれません。
しかし、実は線画をメインにした作品も素敵なんです。
マグカップは円柱という基本形状で構成されているため、パースの練習にも最適。
取っ手の部分は少し複雑ですが、何度か描くうちに自然と立体感を掴めるようになります。
また、文房具も線画向きの題材。
ペンやハサミ、クリップといった身の回りにあるものを題材にすれば、わざわざモチーフを用意する手間もかかりません。
さらに、これらの人工物は「直線」や「正確な円」といった幾何学的な形が多いため、定規やコンパスを使って描く練習にもなります。
一方で、手描きの温かみを残すこともできるので、表現の幅が広いのも魅力。
ちなみに、線画をメインにする場合は、影の部分だけ軽く色を乗せるという方法もあります。
こうすることで、塗りすぎて失敗するリスクを減らしつつ、立体感も出せるんです。
このように、線画でも成立する題材は「塗りに自信がない」という初心者にもおすすめですよ!
初心者でも挑戦しやすい動物(例:白ねこ・インコ)
動物を描くのは難しそう……と思っている方も多いはず。
確かに、動物の毛並みや質感を表現するのは高度な技術が必要になります。
しかし、「白ねこ」のように色数が少ない動物なら、初心者でも挑戦できるんです。
白い毛並みはグレーで影を付けるだけで立体感が出ますし、目や鼻のパーツも比較的シンプル。
また、インコのような小鳥も初心者向き。
カラフルな羽の色は塗っていて楽しいですし、小さなサイズなので短時間で仕上がります。
さらに、動物を描くときは「写真を参考にする」ことが成功の鍵。
実物のペットを描こうとすると動いてしまいますが、写真なら細部までじっくり観察できますよね。
ただし、最初から「リアルに描こう」と頑張りすぎないことが大切。
デフォルメした可愛らしいタッチで描くのもアリですし、むしろその方が初心者には描きやすいかもしれません。
動物好きな方は、ぜひ大好きなペットや動物を題材に選んでみてください!
短時間で完成する題材(スキマ時間向けミニモチーフ)
「まとまった時間が取れない」という忙しい方には、ミニモチーフがおすすめ。
例えば、イチゴやさくらんぼといった小さな果物は、10〜15分程度で描けてしまいます。
仕事の合間や家事の息抜きに、サッと描いて気分転換するのにぴったりです。
また、ボタンやビーズといった小物も短時間で完成する題材。
これらは細かい観察力が鍛えられるうえ、たくさん描いてコレクションにする楽しみもあります。
さらに、季節のモチーフもおすすめ。
春なら桜の花びら、夏なら貝殻、秋ならどんぐり、冬なら雪の結晶といった具合に、季節感を楽しみながら描けますよね。
ちなみに、ミニモチーフは複数個並べて描くと、一枚の作品としても見栄えが良くなります。
「今週はイチゴを5個描いた!」というように、達成感も感じやすいんです。
時間がない方でも、ミニモチーフなら無理なく続けられますよ!
【上達ルート】初心者→中級へ!題材ロードマップで迷わず練習できる
ここまでおすすめの題材を紹介してきましたが、「どの順番で練習すればいいの?」と疑問に思う方もいるはず。
そこで、初心者から中級者へステップアップするための題材ロードマップをお伝えしていきます!
STEP1|丸・球体で描き方を覚える
色鉛筆画の最初のステップは、丸や球体を描くこと。
これはすべての立体表現の基礎になります。
まずは、りんごや柿といった丸い果物から始めてみましょう。
円を描いたら、光が当たる部分を明るく、影になる部分を濃く塗り分けていきます。
このとき意識したいのが「光源の位置」。
例えば、左上から光が当たっていると仮定したら、右下が一番暗くなるはず。
こうした光と影の関係を理解することが、立体感を出す第一歩なんです。
また、球体を描く練習では「グラデーション」の技術も身につきます。
薄い色から濃い色へと徐々に変化させていく塗り方は、あらゆるモチーフで使える基本テクニック。
さらに、卵のような白に近い色で練習すると、微妙な明暗の違いを見分ける目も養われます。
地味な練習に思えるかもしれませんが、ここでしっかり基礎を固めることが重要なんです。
丸や球体が自信を持って描けるようになったら、次のステップへ進みましょう!
STEP2|植物・葉っぱでグラデーションと形を意識
球体が描けるようになったら、次は植物にチャレンジ。
葉っぱは球体よりも複雑な形をしているため、観察力を鍛える良い練習になります。
まず、一枚の葉っぱをじっくり観察してみてください。
葉脈がどこを通っているか、葉の縁はどんな形をしているか、色の濃淡はどうなっているか……。
こうした細部を意識することで、描写力がぐんと高まるんです。
また、葉っぱは緑だけで描くわけではありません。
黄緑、深緑、時には黄色や茶色も混ざっています。
複数の緑系の色鉛筆を使い分けることで、自然なグラデーションが生まれますよね。
さらに、観葉植物のように複数の葉が重なり合っているモチーフに挑戦すると、奥行き感の表現も学べます。
手前の葉は濃く、奥の葉は薄く描くことで、空間の広がりを感じさせることができるんです。
植物を通じて、色の使い方と形の捉え方をマスターしていきましょう!
STEP3|スイーツで質感(ツヤ・ざらざら・ふわふわ)を学ぶ
形と色の基礎が身についたら、いよいよ質感表現に挑戦。
スイーツは様々な質感が詰まった、絶好の練習題材なんです。
例えば、ドーナツのチョコレートコーティングはツヤツヤとした質感が特徴。
このツヤ感を出すには、ハイライト(光が反射している部分)を紙の白で残すことがポイントです。
一方、クッキーのようなざらざらした質感は、色を完全に塗りつぶさず、紙の質感を少し残すことで表現できます。
筆圧を弱めにして、軽く色を重ねていくイメージ。
また、マシュマロやケーキのスポンジのようなふわふわした質感は、境界線をぼかすことで再現できます。
輪郭をはっきり描きすぎないことが、柔らかさを感じさせる秘訣なんです。
さらに、スイーツは色も多彩。
イチゴタルトなら赤・白・黄色・茶色と、様々な色を一つの作品の中で使い分ける練習になります。
このように、スイーツを描くことで質感表現の幅を広げていけますよ!
STEP4|動物で毛並み表現に挑戦
質感表現に慣れてきたら、いよいよ動物に挑戦する段階。
特に毛並みの表現は、色鉛筆画の醍醐味とも言える技術です。
まずは白ねこのような、色数が少ない動物から始めるのがおすすめ。
白い毛並みはグレーで影を付けていきますが、このとき「毛の流れ」を意識することが重要なんです。
具体的には、毛が生えている方向に沿って細かい線を引いていきます。
一本一本丁寧に描くのではなく、束になった毛の流れを表現するイメージ。
こうすることで、ふわふわとした質感が生まれますよね。
また、目の描き方も動物画では重要なポイント。
瞳のハイライトをしっかり残すことで、生き生きとした表情を作り出せます。
さらに、インコのような羽毛のある動物は、羽の重なりを意識して描いていきます。
一枚一枚の羽を細かく描き込むことで、リアルな質感に近づけるんです。
動物画は難易度が高いですが、完成したときの達成感も格別ですよ!
STEP5|背景や小物を組み合わせて作品に仕上げる
最後のステップは、背景や小物を組み合わせて一つの作品に仕上げること。
これまで練習してきた個別のモチーフを統合していく段階です。
例えば、マグカップとドーナツを一緒に描いて「カフェタイム」という雰囲気を出したり、猫と観葉植物を組み合わせて「癒しの空間」を表現したり。
複数のモチーフを配置することで、物語性のある作品になります。
また、背景を加えることで、モチーフをより際立たせることも可能。
シンプルなグラデーション背景でも、作品全体の雰囲気はぐっと良くなるんです。
さらに、構図を考えることも重要なポイント。
モチーフをどこに配置するか、どのくらいの大きさで描くかによって、作品の印象は大きく変わります。
三分割法などの基本的な構図ルールを意識すると、バランスの良い作品に仕上がりますよね。
ちなみに、最初から完璧な作品を目指す必要はありません。
まずは「りんごと葉っぱ」のように、2つのモチーフを組み合わせる練習から始めてみてください。
このように、段階的にステップアップしていくことで、確実に実力を伸ばしていけますよ!
【描く前に知る】失敗しないための色鉛筆の基本テクニック3つ
ここまで題材選びについてお話ししてきましたが、実際に描き始める前に知っておきたい基本テクニックがあります。
この3つを押さえておくだけで、初心者でもぐっと上手に描けるようになりますよ!
基本①:筆圧コントロール(力を抜いて薄く塗る)
色鉛筆画で最も重要なのが、筆圧のコントロールです。
初心者がやりがちな失敗は、最初から強い力で塗ってしまうこと。
なぜこれが失敗につながるのかというと、一度濃く塗ってしまうと、その上から明るい色を重ねても効果が出にくいからです。
また、強く塗りすぎると紙の表面が削れてしまい、滑らかなグラデーションが作れなくなってしまうんですよね。
正しいやり方は、最初は力を抜いて薄く塗ること。
「こんなに薄くて大丈夫?」と思うくらいの筆圧から始めて、少しずつ色を重ねていくイメージです。
さらに、筆圧を変えることで、色の濃淡を自在にコントロールできるようになります。
ハイライト部分は筆圧を弱く、影の部分は少し強めに……といった具合に、メリハリをつけられるんです。
ちなみに、筆圧コントロールを練習するには、グラデーションの練習が効果的。
一本の線を引きながら、徐々に筆圧を強くしていく(または弱くしていく)訓練をすると、感覚が掴めてきます。
このように、筆圧コントロールは色鉛筆画の土台となる技術なんです!
基本②:色の重ね方(明るい色→濃い色が鉄則)
色鉛筆画の美しさは、色を重ねることで生まれます。
しかし、やみくもに色を重ねればいいわけではありません。
基本的なルールは、「明るい色から濃い色へ」という順番。
例えば、オレンジ色のりんごを描くとき、いきなり濃い赤を塗るのではなく、まず黄色やクリーム色を薄く塗ってから、オレンジ、そして赤へと重ねていきます。
なぜこの順番が重要なのかというと、明るい色は濃い色の上に乗せても発色しにくいからです。
逆に、明るい色の上に濃い色を重ねれば、深みのある色合いを作り出せるんですよね。
また、色を重ねるときは、一度に厚く塗らないことも大切。
薄く塗る→別の色を薄く重ねる→さらに別の色を重ねる……というように、少しずつ積み重ねていくことで、透明感のある美しい色が生まれます。
さらに、補色(色相環で向かい合う色)を重ねると、落ち着いた色合いになるという効果も。
例えば、緑の上に薄く赤を重ねると、自然な影の色ができあがるんです。
色の重ね方を理解すると、表現の幅が一気に広がりますよ!
基本③:光と影を意識すると初心者でも立体感が出る
平面的に見えてしまう絵と、立体感のある絵の違いは何でしょうか。
答えは「光と影の表現」にあります。
まず、光源の位置を決めることから始めましょう。
「左上から光が当たっている」と設定したら、その設定を作品全体で統一することが重要です。
次に、光が当たる部分(ハイライト)と影になる部分を明確に分けます。
ハイライトは紙の白を残すか、ごく薄い色で塗るだけ。
一方、影の部分はグラデーションで徐々に濃くしていくことで、自然な立体感が生まれるんです。
また、影には「固有の影」と「落ち影」の2種類があることも覚えておきましょう。
固有の影とは、物体そのものの暗い部分のこと。
落ち影とは、物体が地面や壁に落とす影のことです。
さらに、反射光という現象も意識すると、より本格的な表現になります。
これは、地面や周囲の物体から跳ね返ってきた光が、影の部分をほんの少し明るくする現象のこと。
影の中に微妙な明るさを加えることで、リアリティが増すんですよね。
このように、光と影を意識するだけで、初心者でもぐっと上手に見える作品が描けますよ!
【注意】初心者が選ぶと挫折しやすい題材と代わりの選択肢
ここまでおすすめの題材を紹介してきましたが、逆に「避けた方がいい題材」も知っておくことが大切。
挫折を防ぐために、初心者には難しいモチーフとその代替案をお伝えしていきます!
挑戦前に知りたい!初心者が苦戦しやすいモチーフ例
まず知っておきたいのが、初心者が苦戦しやすいモチーフの代表例。
第一に挙げられるのが「バラ」です。
花びらが何層にも重なり合い、さらに曲線が複雑に絡み合っているため、形を捉えるだけでも一苦労。
美しい花だからこそ描きたくなる気持ちはわかりますが、初心者には難易度が高すぎるんです。
次に「人物」も避けた方が無難。
人間の顔は、ほんの少しバランスが崩れただけで違和感が出てしまうもの。
目の位置や大きさ、鼻と口の距離など、細かなプロポーションを正確に捉える必要があります。
また、「ガラス」のような透明な素材も初心者には困難。
透明感を出すには、背景が透けて見える様子や、光の屈折を表現しなければならず、高度な観察力と技術が求められます。
さらに、「風景画」も意外と難しいモチーフ。
遠近法やパースの理解が必要なうえ、木々の葉や草、空など、様々な要素を一度に描かなければならないからです。
これらのモチーフは、基礎をしっかり固めてから挑戦するのがおすすめですよ!
なぜ難しい?挫折ポイント
では、なぜこれらのモチーフが初心者にとって難しいのでしょうか。
挫折ポイントを具体的に見ていきましょう。
バラの場合、最大の難関は「花びらの重なり」を表現すること。
どの花びらが手前にあって、どれが奥にあるのかを正確に把握しないと、立体感が出ません。
また、柔らかい曲線を描くこと自体も、手が慣れていない初心者には難しいんです。
人物画の挫折ポイントは、「似ていない」という結果に直面すること。
特に、知っている人を描いた場合、少しでもバランスが崩れると「誰かわからない」状態に。
この失敗体験が、描くこと自体への自信を失わせてしまうんですよね。
ガラスの難しさは、「何をどう描けばいいかわからない」という点。
透明なものは輪郭が曖昧ですし、どこに色を置けばガラスらしく見えるのか判断が難しいんです。
風景画については、「情報量の多さ」が挫折の原因。
木の葉っぱ一枚一枚を描こうとすると時間がかかりすぎますし、かといって省略しすぎると寂しい絵になってしまう……というジレンマに陥ります。
このように、難しいモチーフには明確な理由があるんです。
代わりに描くべき題材&その理由
では、難しいモチーフの代わりに何を描けばいいのでしょうか。
それぞれの代替案を理由とともにご紹介していきます!
バラの代わりには「チューリップ」や「ガーベラ」がおすすめ。
これらの花は花びらの枚数が少なく、形もシンプル。
それでいて華やかさがあるので、完成したときの満足感も得られます。
人物の代わりには「後ろ姿」や「手だけ」といった部分的な描写から始めましょう。
顔を描かなければプレッシャーが減りますし、手は表情豊かなモチーフとして練習になります。
また、シルエットだけを描くのも、形を捉える練習として効果的なんです。
ガラスの代わりには「プラスチックのカップ」や「陶器」が良いでしょう。
これらは不透明なので、光と影の関係がわかりやすく、初心者でも立体感を出しやすいんです。
透明感を表現したいなら、まずは「半透明」のビニール袋などから練習してみてください。
風景画の代わりには「木1本」や「シンプルな建物」といった単体のモチーフに絞りましょう。
情報量を減らすことで、細部に集中して描けますし、完成までたどり着きやすくなります。
慣れてきたら少しずつ要素を増やしていけばいいんです。
このように、代替案を選ぶことで、挫折せずにスキルアップできますよ!
【すぐ始められる】1週間の題材チャレンジ表(保存用テンプレート付)
最後に、今日から実践できる「1週間の題材チャレンジ表」をご紹介していきます。
この通りに進めれば、7日後には確実に上達を実感できるはずです!
まずは、全体像が一目でわかる表からご覧ください。
| 日数 | 題材 | 学べること | 目安時間 | 難易度 |
|---|---|---|---|---|
| Day1 | 丸いもの(りんご・卵) | 球体の描き方、グラデーション、光と影の基礎 | 30分 | ★☆☆ |
| Day2 | 葉っぱ | 色の濃淡、葉脈の表現、観察力 | 25分 | ★☆☆ |
| Day3 | マグカップ | 円柱の描き方、パース、影の付け方 | 40分 | ★★☆ |
| Day4 | スイーツ(ドーナツ・クッキー) | 質感表現(ツヤ・ざらざら)、色使い | 35分 | ★★☆ |
| Day5 | 観葉植物 | 複数の要素の配置、奥行き感、複雑な形 | 45分 | ★★☆ |
| Day6 | 白ねこ(シンプル動物) | 毛並み表現、目の描き方、動物の基礎 | 50分 | ★★★ |
| Day7 | 総合作品(組み合わせ) | 構図、複数モチーフの配置、総まとめ | 60分 | ★★★ |
この表を見れば、1週間の流れと各日の目標が明確になりますよね。
では、それぞれの日について詳しく見ていきましょう!
Day1:丸いもの(りんご/卵)
初日は、色鉛筆画の基礎中の基礎である「丸」から。
りんごなら、まず輪郭を軽く描いたあと、光が当たる部分を決めます。
そして、その反対側から徐々に色を濃くしていくグラデーションを練習しましょう。
赤一色でも構いませんし、黄色を下地に塗ってから赤を重ねてもいいですね。
卵を選ぶ場合は、白からクリーム色への微妙な変化を表現します。
影の部分にはグレーを少しだけ加えて、立体感を出してみてください。
制作時間の目安は30分程度。
「完璧に描こう」と思わず、とにかく手を動かすことが大切です!
Day2:葉っぱ
2日目は、植物の基本である葉っぱに挑戦。
公園や庭で好きな葉っぱを一枚拾ってきましょう。
実物を見ながら描くことで、観察力が自然と養われます。
葉脈の流れ、葉の縁のギザギザ、色の濃淡……。
これらを丁寧に観察しながら、黄緑から深緑まで、複数の緑色を使い分けてみてください。
また、葉の裏表では色が違うことも発見できるはず。
こうした気づきが、描写力を高めてくれるんです!
Day3:マグカップ
3日目は、日用品の代表としてマグカップを。
マグカップは円柱という立体の基本形。
上から見た楕円と、側面の曲線を意識して描いていきましょう。
取っ手の部分は少し複雑ですが、じっくり観察すれば描けるはず。
単色のシンプルなマグカップを選ぶと、形に集中できますよね。
さらに、マグカップの影を描くことで、地面との接地感も表現してみてください。
これだけで、作品としての完成度がぐっと上がります!
Day4:スイーツ
4日目は、楽しみながら描けるスイーツ。
ドーナツやクッキーなど、好きなお菓子を選びましょう。
写真を参考にしても構いませんし、実物があればなお良し。
ここでのポイントは「質感の違い」を意識すること。
チョコレートのツヤ、生地のざらざら感、クリームのなめらかさ……。
これらを表現することで、質感表現のコツが掴めてきます。
また、カラフルなトッピングがあれば、色使いの練習にもなりますよね!
Day5:観葉植物
5日目は、少し複雑な植物である観葉植物に挑戦。
モンステラやポトスなど、家にある観葉植物を一鉢選びましょう。
もし持っていなければ、植物の写真でも問題ありません。
複数の葉が重なり合っている様子を描くことで、奥行き感の表現を学べます。
手前の葉は濃く、奥の葉は薄く描き分けてみてください。
また、鉢の部分も描けば、より作品らしくなります。
Day3で練習したマグカップの技術が、ここで活きてくるはずです!
Day6:白ねこなどシンプル動物
6日目は、いよいよ動物に挑戦。
白ねこやシンプルなシルエットの動物を選びましょう。
写真を参考にするのがおすすめです。
動物を描くときの最大のポイントは「目」。
瞳のハイライトをしっかり残すことで、生き生きとした表情が生まれます。
毛並みは、一本一本描こうとせず、束になった毛の流れを意識して。
細かい線を重ねることで、ふわふわとした質感を表現してみてください!
Day7:今週描いた題材を組み合わせて1作品に
最終日は、これまでの集大成。
Day1〜6で描いた題材の中から、2〜3個を組み合わせて一つの作品にしてみましょう。
例えば、「マグカップとドーナツ」「猫と観葉植物」「りんごと葉っぱ」といった具合に。
複数のモチーフを配置することで、構図を考える練習にもなります。
また、背景を軽く入れると、作品全体がまとまりますよね。
さらに、これまで学んだ技術を総動員することで、自分の成長を実感できるはず。
完成したら、ぜひ写真に撮って記録に残してみてください!
【保存用】マイ・チャレンジシート
ここからは、実際に使える保存用テンプレートをご用意しました。
このシートを印刷するか、スマホに保存して、毎日の練習記録として活用してみてください!
🎨 色鉛筆画 1週間チャレンジシート 🎨
| 日付 | 題材 | 完了 | 気づいたこと・工夫 | 次回への改善点 |
|---|---|---|---|---|
| / ( ) | 丸いもの (りんご・卵) |
□ | ||
| / ( ) | 葉っぱ | □ | ||
| / ( ) | マグカップ | □ | ||
| / ( ) | スイーツ (ドーナツ等) |
□ | ||
| / ( ) | 観葉植物 | □ | ||
| / ( ) | 白ねこ (シンプル動物) |
□ | ||
| / ( ) | 総合作品 (組み合わせ) |
□ |
📝 今週の振り返り
◆ 一番楽しかった題材:
◆ 一番難しかった題材:
◆ 成長を感じた点:
◆ 来週挑戦したいこと:
完走できたら自分を褒めてあげましょう!🌟
このテンプレートを使えば、自分の成長を可視化できます。
「気づいたこと・工夫」の欄には、例えば「光の位置を意識したら立体感が出た」「薄く塗ってから重ねると綺麗」といったメモを残してみてください。
また、完了チェックボックスに✓を入れていく達成感も、モチベーション維持に効果的。
1週間後の振り返りを書くときには、きっと自分の成長に驚くはずです!
このように、1週間コツコツと続けることで、確実にスキルアップできますよ!
まとめ
色鉛筆画の初心者が迷いがちな「題材選び」について、具体的なおすすめモチーフと練習ステップをお伝えしてきました。
大切なのは、「描けそう」という感覚を信じて、シンプルな題材から始めること。
りんごや葉っぱといった身近なモチーフでも、光と影を意識すれば立体感のある作品に仕上がります。
また、筆圧コントロールや色の重ね方といった基本テクニックを押さえておくことで、初心者でもぐっと上手に描けるようになるんです。
逆に、バラや人物画といった難しい題材は、基礎が固まってから挑戦するのが得策。
さらに、1週間のチャレンジ表に沿って練習すれば、迷わず上達への道を進んでいけます。
Day1の丸い果物から始めて、Day7には複数のモチーフを組み合わせた作品が描けるようになっているはず。
色鉛筆画は、何度も描くことでしか上達しません。
だからこそ、「完璧に描こう」と構えすぎず、楽しみながら続けることが何より大切です。
今日から、まずは一つでいいので描いてみてください。
あなたの色鉛筆画ライフが、素敵なものになりますように!





