絵が苦手でも大丈夫!色鉛筆で風景画を描く方法【初心者が最短で上達できる完全ガイド】

「絵が苦手な私に、風景画なんて描けるのかな……」

そんなふうに感じている方は、きっと少なくないはずです。

でも実は、色鉛筆は絵が苦手な人ほど向いている画材。 「道具の使い方がわからない」「どこから始めればいいかわからない」という悩みも、順番さえ知ってしまえばスッと解消されます。

この記事では、色鉛筆で風景画を描くための方法を、道具選びから描き方の手順、上達のコツまで丸ごとお伝えしていきます。

さらに、「もっとうまくなりたい」と思ったときの次のステップについてもご紹介していくので、ぜひ最後まで読んでみてください!

色鉛筆は風景画の初心者に最もおすすめの画材!その理由とは

風景画と聞くと、水彩や油絵を思い浮かべる方が多いかもしれません。

でも、初心者に一番おすすめしたい画材は、実は色鉛筆です。

なぜ色鉛筆がいいのか、そして「自分には向いていないかも」と感じている方こそ知っておいてほしいことを、この章でお伝えしていきます。

他の画材と比べてここが違う!色鉛筆ならではの3つのメリット

色鉛筆には、他の画材にはない独自の強みが3つあります。

まず「失敗しにくい」という点。

水彩や油絵は乾燥時間の管理や水加減の調整が必要で、一度失敗するとリカバリーが難しいことも少なくありません。 その点、色鉛筆は塗った部分を練り消しで薄くしたり、上から別の色を重ねたりと、修正がしやすい画材です。

次に「道具がシンプル」なこと。

筆や水、パレットなどを用意する必要がなく、色鉛筆とスケッチブックさえあればすぐに始められます。 準備や片付けの手間が少ないため、忙しい大人のホビーとして人気が高まっています。

そして3つ目が「細部まで丁寧に描き込める」という点です。

鉛筆状の形状のおかげで筆よりもコントロールしやすく、繊細な表現が得意。 木の葉や建物の窓枠など、小さなディテールも描きやすいのが色鉛筆ならではの強みです!

「私には無理かも…」と思っている人こそ色鉛筆が向いている理由

「絵心がない」「図工は苦手だった」というかたに、ぜひ知っておいてほしいことがあります。

それは、風景画が「正確に描く必要はない」という事実です。

写真のような精密さよりも、その場の雰囲気や光の感じが伝わるかどうかが大切。 特に色鉛筆の風景画は、多少ラフでも味わいが出やすいのが特徴です。

また、色鉛筆はゆっくり丁寧に塗ることが基本なので、「急いでうまく仕上げなければ」というプレッシャーを感じにくい画材でもあります。

むしろ、丁寧な作業が得意な人や、じっくり集中して取り組める人にこそ向いている——それが色鉛筆です!

【これだけでOK】色鉛筆で風景画を始めるために必要な道具リスト

「道具選びで迷って、なかなか始められない」という声は、初心者からよく聞かれます。

ここでは「最初にこれだけ揃えれば大丈夫」という視点で、必要な道具を一つひとつ整理していきます。

色鉛筆は何色必要?初心者におすすめの色数と選び方

色鉛筆の色数は、12色・24色・36色・48色・72色……と幅広く展開されています。

初心者にとって、どれがベストなのでしょうか。

おすすめは「36色セット」です。

12色では色の幅が狭く、混色でカバーしきれない色が出てきます。 一方、72色以上になると選ぶだけで疲れてしまい、かえって描くのが億劫になることも。

36色あれば、空・緑・茶・灰色など風景画で使う色が一通り揃い、混色でもある程度対応できます。

ブランドとしては、三菱鉛筆の「ユニカラー」やトンボ鉛筆の「色辞典」シリーズが、品質と価格のバランスがよく、国内の初心者に人気です。 本格的に続けたいと感じたら、ファーバーカステルやステッドラーなど海外ブランドを試してみるのも、ひとつの楽しみです!

油性と水性どちらを選ぶ?初心者向けはこれ一択

色鉛筆には大きく分けて「油性」と「水性(水彩色鉛筆)」の2種類があります。

初心者にはっきりおすすめしたいのは、「油性色鉛筆」一択です。

水性色鉛筆は水で溶かして水彩風に使えるという特徴がありますが、乾燥前と後で色の見え方が変わるため、慣れるまでにそれなりの時間がかかります。

対して油性色鉛筆は、塗ったままの発色がそのまま完成の色。

重ね塗りもしやすく、塗り直しもきくため、初めての1本として最適です!

紙はどれを使う?風景画に適したスケッチブックの選び方

意外と見落とされがちなのが、紙の選び方です。

じつは、色鉛筆の仕上がりは紙の種類によって大きく変わります。

風景画に適しているのは「中目(なかめ)〜粗目(あらめ)の紙」。

表面に適度な凹凸がある紙は色鉛筆の顔料が定着しやすく、重ね塗りにも強い特性があります。 一方、つるつるした上質紙は顔料が乗りにくく、発色が弱くなりがちです。

具体的には、マルマンのスケッチブック「図案シリーズ」やコクヨのスケッチブックがよく使われています。 サイズはA4またはB5が使いやすく、初めての1冊としておすすめです。

あると便利な道具3選(なくても描けますが…)

基本の道具が揃ったら、次の3つをプラスすると作業がぐっと快適になります。

まず「練り消し(ねりけし)」。

普通の消しゴムと違い、形を自在に変えながら使えるため、細かい部分だけを選んで消せます。 色鉛筆は完全には消えないことも多いですが、練り消しなら色を薄くしたり、明るく見せたりするのに役立てられます。

次に「色鉛筆用シャープナー(鉛筆削り)」。

色鉛筆は芯が柔らかいため、専用の削り器を使うと芯が折れにくくなります。 芯の出方が大きいほうが細かい表現に向いており、描きやすさが変わります。

最後は「ティッシュまたはブレンダー」です。

塗った色をぼかしたいときに活躍する道具で、ティッシュで軽くこするだけでもグラデーションが自然になじみます!

初心者が最初に描くべき風景の選び方【失敗しない題材とは】

「何を描けばいいかわからない」という声は、初心者から特によく聞かれます。

最初の題材選びは、上達の速さにも直結する大切なポイントです。

この章では、失敗しない題材の選び方をお伝えしていきます。

これはNG!初心者が避けるべき題材の特徴

初心者が最初から取り組むと挫折しやすい題材には、共通した特徴があります。

代表的なものが「人物が多い風景」。

人の顔や手は比率や形が難しく、少しでも崩れると不自然に見えやすいため、難易度が一気に上がります。

また、「細かいディテールが多い建物」も注意が必要です。

複雑な模様の建築物や古城のような題材は描き込む要素が多すぎて、完成前に疲れてしまうことがあります。

さらに、夕焼けや夜景など「光の変化が激しい風景」は色の調整が難しく、初心者向きではありません。 まずは光の変化が穏やかな日中の風景から始めることを、強くおすすめします。

これがおすすめ!最初の1枚に最適な風景の条件

では、初心者が取り組みやすい風景とはどんなものでしょうか。

おすすめの条件は3つ。「要素が少ない」こと、「空が広い」こと、そして「左右対称に近い構図」であることです。

たとえば、一本道が続く田舎の道、水面に空が映る池、広い空と地平線だけのシンプルな景色などが好例。

こうした題材は描く要素が少なく、色の数も限られるため、色鉛筆の基本的な使い方を学ぶのに最適です。 シンプルだからこそ、塗り方の練習に集中できます!

外に出なくても大丈夫!写真を使った練習法

「外出先でスケッチするのはハードルが高い」という方も多いはずです。

そんな場合は、写真を参考に描く練習が非常に効果的。

雑誌、カレンダー、旅行の写真など、手元にある写真を使えば、いつでも好きな場所で練習できます。

最近ではPinterestやUnsplashなど、フリー素材の風景写真を提供するサービスも充実しています。 「光がきれいだな」と感じた写真を保存しておき、描きたくなったときにすぐ取り組める環境を作っておくのがコツです。 まずは写真を参考にしながら、気軽に始めてみてください!

色鉛筆で風景画を描く手順【空・木・地面の塗り方をステップ別にご紹介】

実際に描く手順を、5つのステップに分けてお伝えしていきます。

「どこから手をつければいいかわからない」という方も、この流れに沿って進めれば大丈夫です。

STEP1|構図を決める(迷ったらこの法則を使おう)

描き始める前に、まず「構図」を決めます。

おすすめは「三分割法」という構図の基本ルール。

画面を縦横3等分したとき、その交点(4か所)のどこかに主役を置くと、自然とバランスの取れた構図になります。

たとえば、空と地面の境界線(地平線)を上から3分の1または3分の2の位置に設定するだけで、「空がメインの絵」「地面がメインの絵」を明確に描き分けられます。 何となく描き始めるより、この法則を意識するだけで仕上がりが見違えます!

STEP2|鉛筆で下書きをする(薄く・シンプルに)

構図が決まったら、鉛筆で下書きをします。

ポイントは「薄く・シンプルに」という点です。

後から色を塗るため、下書きの線が透けて見えると気になる場合があります。 HBよりも薄いHや2Hの鉛筆を使い、輪郭の大きな形だけを軽く描く程度にとどめるのが無難です。

細かいディテールは下書きで描かなくてOK。 木の葉や草の細部などは、色鉛筆を塗りながら自然と表現できます。

STEP3|空から塗り始める(グラデーションのコツ)

塗る順番は「空から」が基本です。

なぜなら、空の色が絵全体の雰囲気を左右するからです。

空を塗るとき、最も大切なのが「グラデーション」。 空は上部が濃く、地平線に近づくほど薄くなるのが自然な見え方です。

上から下へ、力を少しずつ抜きながら塗ることがコツ。 一色で全体を塗った後、雲の部分を練り消しで軽く抜いたり、白を重ね塗りしたりすることで、空らしい表現が生まれます!

STEP4|木・草・葉を描く(遠くと近くで変える塗り方)

空が仕上がったら、次は木や草などの自然物に移ります。

ここで意識したいのが「遠近感」の出し方です。

遠くの木は小さく・薄く・ぼんやりと、近くの木は大きく・濃く・はっきりと描くのが基本。 この違いを意識するだけで、絵に自然な奥行きが生まれます。

葉の表現は、一枚一枚描こうとせず、小さな丸や波線を重ねるように塗ると自然に見えます。 緑一色ではなく、黄緑・オリーブ・深緑などを重ねることで、より豊かな表現に仕上がります!

STEP5|地面・建物など残りのパーツを仕上げる

最後に、地面や建物など残りのパーツを描いて仕上げます。

地面は茶色・黄土色・薄い緑を混ぜながら塗ると、自然な土や草地の雰囲気が出ます。

建物がある場合は、直線を意識しながら描くとすっきりした印象に。

全体のバランスを見ながら、薄い部分に色を足したり、濃すぎる部分を抑えたりして調整してみてください。 一度完成したと感じてからも、少し時間をおいて見直すと「ここをもう少し直したい」という箇所が見つかることがよくあります!

プロも使う!色鉛筆風景画を「それらしく」見せる5つのコツ

描き方の基本が身についたら、次は「見栄えをよくするコツ」を取り入れてみましょう。

プロのアーティストが実際に使っているテクニックを、初心者にも実践しやすい形でお伝えしていきます。

コツ①|遠くは薄く・近くは濃く(空気遠近法)

風景画の奥行きを表現する代表的な方法が「空気遠近法」です。

遠くのものは空気の層を通して見えるため、実際には薄く・青みがかった色に見えます。

これを意識して、遠景は淡い色で薄く、前景は濃くはっきりと描くことで、自然と立体感のある風景に仕上がります。 「なんか平面的だな」と感じたら、まずこの方法を試してみてください!

コツ②|明るい色から塗る(混色の基本ルール)

色を重ねるときは「明るい色から暗い色」の順番で塗るのが基本です。

色鉛筆は重ねるほど色が混ざり合い、深みが増します。 しかし、最初に暗い色を塗ってしまうと、後から明るい色を重ねても発色しにくくなることがあります。

薄い色・明るい色でベースを作り、その上に暗い色や別の色を重ねていく——この手順を守るだけで、色の仕上がりが格段に変わります!

コツ③|色は重ねるほど豊かになる(塗り重ねの効果)

一見単調に見える青空も、1色で塗るより2〜3色を重ねるほうが奥行きが出ます。

たとえば空なら、水色の上に薄い青、さらに紫がかった青を重ねてみる。 葉なら、黄緑の上にオリーブを重ね、影になる部分に深緑を加える。

このように重ねるほどに、色に深みと自然なニュアンスが生まれます!

コツ④|影に「黒」を使わない(自然な影色の作り方)

初心者がやりがちな失敗のひとつが、影に黒色をそのまま使ってしまうことです。

黒をそのまま使うと、影が不自然に浮いて見えることが多くなります。

自然の影は、実はさまざまな色の混合。 青みがかった紫・濃い茶・深いグレーなどを組み合わせると、生き生きとした影色になります。

「黒を使わない」という制約を自分に課すだけで、絵の雰囲気が一気に変わります!

コツ⑤|描き込みすぎない(引き算の美学)

最後のコツは「描き込みすぎないこと」です。

詳細を描き込めば描き込むほどよくなる、というわけではありません。

風景画の場合、あえて省略した部分があることで見る人の想像力が働き、かえってよく見える場合があります。 特に遠景は省略してOK。

「もう少し描こうかな」と思ったところで止める勇気が、完成度の高い絵につながります!

もっと上手くなりたい人へ【次のステップとおすすめ練習法】

1枚目が描けたら、「もっとうまくなりたい」という気持ちが芽生えてきます。

着実に上達できる練習法と学習ルートをお伝えしていきます。

毎日5分でOK!初心者が続けやすい練習ルーティン

上達のために最も効果的なのは、「短くてもいいから毎日続けること」です。

1枚の大作を週1回描くより、5〜10分のスケッチを毎日続けるほうが、技術の定着が早いとされています。

目の前にあるコップや植木鉢を色鉛筆でさっと描くだけでも、十分な練習になります。

続けるコツは「うまく描こうとしないこと」。 気楽に、ノートの端に小さな風景をメモするような感覚で取り組んでみてください!

独学 vs 講座・教室|自分に合った上達ルートの選び方

独学と教室、どちらが向いているかは人によって異なります。

独学に向いているのは、自分のペースで進めたい人や、コストをかけずにまず試してみたい人。 YouTubeや書籍を参考にしながらでも、十分に上達できます。

一方、教室やオンライン講座が向いているのは、明確なフィードバックが欲しい人や、モチベーションを保ちにくいタイプの人です。

最近ではSNSのコミュニティで同じ趣味の仲間とつながる方法もあります。 自分のライフスタイルや目的に合わせて、無理なく続けられるルートを選んでみてください!

参考にしたい!初心者におすすめの色鉛筆風景画の本3選

独学で学ぶなら、よい本を一冊手元に置いておくと心強いです。

まずおすすめしたいのが、三上詩絵さん著の『身近なものから始める リアル色鉛筆レッスン』(日貿出版社)。

動画レッスン50本が付属しており、本を読むだけでなく映像で手の動きや塗り方を確認できます。 小さめの作品から始められる構成になっているため、「最初から大作は無理……」と感じる方にこそ向いている一冊です。 色鉛筆の基本テクニックをしっかり身につけたい方の入門書として、特に評判が高い本です。

次にご紹介したいのが、『色鉛筆で描く、いちばん美しい風景画』(日本文芸社)。

この本の最大の特徴は「下書きなし・テクニックなし」でも本格的な風景画が描けるという点。 グラデーションを活かした塗り方を軸に、空や水辺の美しい表現方法が丁寧に取り上げられています。 「下書きが苦手で……」という方でもすぐ取り組めるので、1枚目の題材探しにも役立つ一冊です。

もう1冊は、林亮太さん著の『色鉛筆で描く 街角風景画』(マール社)。

身近な風景を題材に、モチーフの練習から風景画の完成まで順を追って構成されています。 空気遠近法や混色のコツも丁寧に取り上げられており、基本が身についてきた方が次のステップとして読むのにぴったりです。 林さんはテレビ出演もある色鉛筆画家で、作品のリアルさに驚かされます!

まとめ

色鉛筆は、道具がシンプルで失敗しにくく、絵が苦手な人にこそ向いている画材です。

36色の油性色鉛筆と中目のスケッチブックを用意し、シンプルな風景写真を参考に描き始めることが、最初の一歩としておすすめ。 塗る順番は「空→木・草→地面」が基本で、空気遠近法や重ね塗りのコツを意識するだけで、仕上がりが大きく変わります。

「うまく描かなければ」と力まず、まずは気軽に1枚描いてみてください。

毎日5分でも続けることが上達への近道。 その1枚が、新しい趣味の入口になるはずです!