なぜ”ぬり絵っぽく”なる? 色鉛筆でリアルに描く初心者向けコツと失敗しない描き方

「がんばって塗ったのに、なんだか”ぬり絵”みたいになってしまう……」

色鉛筆でリアルな絵を描きたいのに、思ったような立体感が出ずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

実は、ぬり絵っぽさから抜け出せるかどうかは、特別な才能やセンスではなく”ちょっとした見方とコツ”で決まります。

この記事では、色鉛筆でリアルに描くための基本テクニックや道具選び、初心者がつまずきやすいポイントまでをまとめてお伝えしていきます。

読み終えるころには「これなら描けそう」と感じられる、最初の一枚への道筋が見えてくるはずです!

そもそも「リアルな色鉛筆画」と”ぬり絵”は何が違う?──上達の第一歩は”見方”を変えること

リアルな色鉛筆画を目指すうえで、まず知っておきたいのが「ぬり絵」との根本的な違いです。

ここを理解しておくと、上達のスピードが大きく変わってきます。

この見出しでは、なぜぬり絵っぽくなってしまうのか、その原因と”見方の切り替え方”を順番にお伝えしていきます!

「塗る」のではなく「描く」。色鉛筆画は”カラーのデッサン”

リアルに描く第一歩は、「塗る」という意識を「描く」へ切り替えることです。

なぜなら、ぬり絵は決められた輪郭の中を一色で埋める作業ですが、色鉛筆画はデッサンのように光と影を積み重ねていく表現だからです。

例えば、リンゴを描くとき。

輪郭の中を赤一色でべた塗りすると、どうしても平面的なぬり絵に近づきます。

反対に、明るい部分や暗い部分を意識して色を重ねていくと、立体物のような奥行きが生まれてくるはず。

つまり、色鉛筆画は”カラーのデッサン”そのもの。

塗る道具ではなく「描く道具」として向き合うことが、リアルさへの入り口になります。

リアルさの正体は「光と影」──立体感はここから生まれる

リアルさを生み出している正体、それは「光と影」です。

物の形は、実は色そのものよりも、光の当たり方によって立体的に見えています。

例えば、白い卵を思い浮かべてみてください。

光が当たる側は明るく、反対側にはやわらかい影ができ、机に接する部分には濃い影が落ちます。

この明暗の差こそが、平面の紙に”丸み”を感じさせる仕組み。

色を塗る前に「どこが一番明るくて、どこが一番暗いか」を見つける習慣をつけると、ぐっとリアルに近づきます。

だからこそ、いきなり色を塗り始めるのではなく、まずは光と影の位置を観察することが大切です。

物の色をそのまま使わない──”見たままの色”を疑うことが第一歩

リアルに描くコツの一つが、「物の色をそのまま使わない」ことです。

というのは、私たちが”そのものの色”だと思い込んでいる色は、光や反射の影響でつねに変化しているからです。

例えば、リンゴは「赤」と思いがちですが、よく見ると、光が当たる部分は黄色っぽく、影の部分は紫や青みを帯びています。

バナナの黄色にも、影には緑やグレーが潜んでいることも。

こうした”隠れた色”を拾えるようになると、絵に深みと説得力が生まれます。

したがって、塗る前に一度立ち止まり、「本当にこの色だけ?」と疑ってみることが、リアルさへの近道です。

初心者がまず揃えるべき道具──色鉛筆の色数・紙・あると差がつく3つの道具

リアルな色鉛筆画を始めるうえで、道具選びは仕上がりを左右する大切なポイントです。

とはいえ、最初から高価なものをそろえる必要はありません。

ここでは、初心者がまず用意したい色鉛筆・紙・あると差がつく道具を、順番にご紹介していきます!

色鉛筆は「24色〜36色」から。油性・水性どちらを選ぶ?

最初の1本として選ぶなら、色数は「24色〜36色」がおすすめです。

というのも、12色では混色だけで欲しい色をつくるのが難しく、逆に72色以上は初心者には持て余しやすいからです。

24色あれば基本的な混色に対応でき、36色まであれば微妙な中間色も表現しやすくなります。

また、色鉛筆には大きく分けて「油性」と「水性」の2種類があるのも知っておきたいポイント。

リアルな描き込みを目指すなら、重ね塗りに強い”油性”がおすすめです。

なかでもファーバーカステルの「ポリクロモス」や、発色のよいホルベインの色鉛筆は、リアル系の作品づくりで広く愛用されています。

一方の水性は水筆でぼかせる魅力があるものの、コントロールにはやや慣れが必要。

まずは扱いやすい油性から試してみると、失敗が少なくなります。

このように、無理のない色数と油性タイプを選ぶことが、リアルへの第一歩。

紙はツルツル系がおすすめ──リアル重視なら「細目・ケント紙」

色鉛筆のリアルさを支えるもう一つの鍵が、実は「紙」です。

なぜなら、紙の表面にあるデコボコ(目)が粗いほど、色がうまくのらず、白い点が残ってしまうからです。

リアルな描き込みを重視する場合に選びたいのが、表面がなめらかな「細目」やケント紙。

つるっとした紙の上では色鉛筆がよくのび、重ね塗りやグラデーションもきれいに決まります。

反対に、画用紙のような目の粗い紙が向くのは、ざらっとした風合いを生かしたいとき。

つまり、何を描きたいかで紙を選ぶのがコツになります。

リアル路線をねらうなら、まずはなめらかな紙を試してみてください!

あると仕上がりが変わる3つの道具(練り消し・鉛筆削り・白の道具)

基本の色鉛筆と紙がそろったら、次に用意したいのが”あると差がつく”道具です。

というのも、これらの道具は仕上がりのクオリティを一段引き上げてくれるからです。

具体的には、次の3つ。

  • 練り消しゴム:色を「消す」というより、ぽんぽんと押さえて明るさを足す道具。ハイライトづくりに大活躍します。
  • よく削れる鉛筆削り:芯をとがらせておくと、細部や輪郭をシャープに描けます。リアルさは細部の精度で決まるため、意外と重要なポイント。
  • 白の色鉛筆・白のペン:最後のハイライトや、色をなじませる仕上げに便利。あるとないとで立体感が大きく変わってきます。

このように、ちょっとした道具をそろえておくだけで、仕上がりはぐっと本格的に近づきます!

リアルさを生む5つの基本テクニック──重ね塗り・グラデーション・光の残し方

道具が整ったら、いよいよ描き方のテクニックです。

リアルな色鉛筆画は、特別な才能よりも”基本の積み重ね”で決まります。

ここでは、初心者がまず押さえたい5つの基本テクニックを、ひとつずつご紹介していきます!

①薄く・何度も重ねる──一発で濃く塗らないのが鉄則

リアルに描くうえで最も大切なのが、「薄く・何度も重ねる」ことです。

なぜなら、一度で濃く塗ってしまうと修正がきかず、色も不自然に沈んでしまうからです。

例えば、肌や果物のような繊細な色。

薄い層を何度も重ねていくと、奥行きのある深い色味が生まれます。

最初はもの足りなく感じるくらいの薄さでちょうどよく、5〜6回かけて重ねるイメージで進めてみてください。

つまり、急がず少しずつ重ねること。

“薄塗りの積み重ね”こそ、リアルへの一番の近道です。

②グラデーション──同系色を重ねて自然な明暗を作る

2つ目のテクニックが、なめらかな「グラデーション」です。

明るい部分から暗い部分へ色を自然につなげると、立体感がぐっと増していきます。

コツは、いきなり濃い色を置かず、同系色を少しずつ重ねること。

例えば赤いリンゴなら、明るいオレンジから赤、そして暗い赤紫へと、段階的に色を移していくイメージです。

さらに、境目をぼかすように軽くこすると、つなぎ目が消えてなめらかな印象に。

こうして色と色の”あいだ”をていねいにつなぐことが、自然なグラデーションづくりの近道になります。

③白を「塗らずに残す」──ハイライトが立体感を決める

3つ目は、意外と見落としがちな「白を塗らずに残す」テクニック。

なぜなら、紙の白さをそのまま生かしたハイライトこそが、リアルなツヤや立体感を生み出すからです。

例えば、果物やガラスがテカっと光る部分を思い浮かべてみてください。

ここを塗りつぶさず白いまま残すだけで、一気に本物らしさが際立ちます。

うっかり塗ってしまったときは、先ほどの練り消しでぽんぽんと明るさを取り戻すのも手。

だからこそ、描き始める前に「どこを白く残すか」を決めておくのがおすすめです!

④混色──紙の上で色を重ねて深い色をつくる

4つ目が、紙の上で色を重ね合わせてつくる「混色」のテクニックです。

1色だけでは出せない複雑で深い色も、何色かを重ねることで生まれてきます。

例えば、影に黒をそのまま使うと、絵が重く沈んでしまいがち。

そんなときは青や紫、こげ茶などを少しずつのせていくと、透明感のある自然な影が表現できます。

最初は「赤+黄=オレンジ」のような身近な組み合わせから試してみてください。

色を混ぜる楽しさを知ると、表現の幅は一気に広がっていきます!

⑤筆圧コントロール──濃淡を”力加減”で操る

最後の5つ目が、鉛筆を持つ手の「筆圧コントロール」です。

力の入れ具合を変えるだけで、同じ1本の色鉛筆から濃淡を自在に生み出せます。

例えば、明るい部分はそっと軽く、暗い部分はやや強めに。

この力加減を意識するだけで、のっぺりしがちな絵に自然なメリハリが生まれます。

慣れるまでは、紙の端で「弱・中・強」の3段階を試し書きしてみるのもおすすめ。

筆圧を味方につけられると、表現力はぐんと豊かになっていきます!

挫折しないための最初の1枚──「丸い果物」を最後まで描き切る手順

ここまでテクニックをお伝えしてきましたが、知識だけでは上達しません。

大切なのは、1枚を最後まで描き切る経験です。

そこでこの見出しでは、初心者でも挫折しにくい”最初の1枚”の選び方と手順を、具体的にご紹介していきます!

なぜ最初は「リンゴ」や「ミニトマト」がいいのか

最初の題材としておすすめなのが、リンゴやミニトマトといった「丸い果物」。

なぜなら、シンプルな球体は光と影の練習にぴったりで、リアルさの基本がぎゅっと詰まっているからです。

丸いものには、明るいところ・影・反射光・接地面の影と、立体表現の要素がひと通り含まれています。

しかも身近で観察しやすく、形も取りやすいので初心者にうってつけ。

だからこそ最初の1枚には、複雑な題材よりもまんまるの果物を選んでみてください!

ステップで描く|下書き→薄塗り→影→ハイライトの順番

では、実際の手順を4ステップでご紹介していきます。

順番を守るだけで、ぐっと描きやすくなるはず。

  1. 下書き:まずは薄い線で、果物の輪郭と光の位置を軽く描きます。濃く描きすぎないのがポイント。
  2. 薄塗り:明るい中間色から、全体をやさしく塗っていきます。この段階では薄くてOK。
  3. :暗い部分に色を重ね、立体感を出していくステップ。ここで一気にリアルさが増します。
  4. ハイライト:最後に白を残した部分を整え、ツヤをプラス。仕上げに反射光を意識すると本物らしくなります。

この順番を意識するだけで、初心者でも見違えるような1枚に近づけます!

途中で「失敗した」と感じても手を止めないコツ

描いている途中で「失敗したかも」と感じる瞬間は、初心者なら必ずと言っていいほど訪れます。

けれど、ここで手を止めないことが、完成までたどり着く一番のコツ。

というのも、色鉛筆は薄く重ねていく画材なので、多少の失敗は後からいくらでも調整できるからです。

色がはみ出ても練り消しで整えられますし、暗くなりすぎた部分は明るい色を重ねてなじませられます。

途中の”いまいち”は、完成形とは別物。

だからこそ、気になっても一度最後まで描き切ってみてください。

1枚を仕上げた経験が、次の自信につながっていきます!

初心者がやりがちな失敗と直し方──”のっぺり””色が濁る”を防ぐコツ

リアルに描こうとするほど、ぶつかりやすいのが”あるある”な失敗です。

でも、心配はいりません。

原因さえ分かれば、直し方はとてもシンプル。

ここでは、初心者がつまずきやすい3つの失敗と、その対処法をお伝えしていきます!

のっぺり平面的になる→影と光のメリハリ不足が原因

いちばん多い失敗が、絵が”のっぺり”と平面的に見えてしまうケースです。

原因は、ほとんどの場合「影と光のメリハリ不足」にあります。

全体的に同じくらいの濃さで塗ってしまうと、立体感が出ず、ぺたっとした印象になりがち。

直すには、いちばん暗い部分をもう一段濃く、いちばん明るい部分は思い切って白を残すのがコツです。

明暗の差を大きくとるほど、絵はぐっと立体的に見えてきます。

つまり、のっぺりを防ぐ鍵は”メリハリ”。

光と影の差を意識するだけで、見違えるほど変わってきます!

色が濁る・暗くなる→重ねる色の順番と色数を見直す

「重ねるほど色が濁って暗くなる」という悩みも、とても多い失敗の一つです。

主な原因は、重ねる色の”順番”と”数”にあります。

基本は、明るい色から先に塗り、暗い色を後から重ねるのがセオリーです。

逆にすると濁りやすく、いちど暗く濁った色は元に戻しにくくなります。

また、欲ばってたくさんの色を混ぜすぎるのも、濁りの大きな原因。

3〜4色までを目安にすると、にごりを抑えやすくなります。

したがって、「明るい色が先・色数は欲ばらない」を意識すると、クリアで深みのある色を保つのがポイント。

輪郭線が浮く→線で囲まず”面”でつなぐ

意外と多いのが、「輪郭線だけが黒く浮いて見える」という失敗です。

原因の多くは、ぬり絵のように物のフチを線でぐるりと囲ってしまうことにあります。

実際の景色や写真をよく見ると、世界はくっきりとした線ではなく、色と色の境目でできています。

リアルに描きたいなら、輪郭をなぞるのではなく、隣り合う面の色をつないでいくのがコツ。

どうしても輪郭が気になるときは、こげ茶や暗い同系色で軽く沿わせると、黒い線よりも自然になじみます。

このように、線を”面”でとらえる意識こそが、写実的な絵へぐっと近づく第一歩!

もっと上達したい人へ──おすすめの練習法・参考になる本やレッスンの選び方

基本をつかんだら、次に気になるのが「どうやって上達していくか」です。

正しい方向でコツコツ続ければ、画力は着実に伸びていくはず。

ここでは、独学でも上達できる練習法と、本やレッスンの選び方をご紹介していきます!

上達への近道は「模写」──写真1枚から学べること

上達への一番の近道が、お手本を見ながら描き写す「模写」。

なぜなら、上手な作品や写真をまねることで、色の置き方や明暗のつけ方を、丸ごと学べるからです。

例えば、お気に入りの果物の写真を1枚用意してみてください。

それを見ながら「どこが明るい?」「影は何色?」と観察しながら描くだけで、自分の引き出しが自然と増えていきます。

最初は完璧を目指さず、”似せる”ことを楽しむくらいでちょうどよい練習に。

だからこそ、まずは好きな写真を1枚選んで、模写から始めてみてください!

独学を支える本・動画の選び方

独学で上達したいなら、教材選びがとても大切になります。

というのも、自分のレベルや目的に合った本や動画を選べるかどうかで、伸びるスピードが変わってくるからです。

本を選ぶときは、写真や図解が多く、工程が1ステップずつ載っているものを選ぶと失敗しにくくなります。

文章だけのものよりも、目で見てまねしやすいのが大きな利点。

動画なら、YouTubeで「色鉛筆 リアル 描き方」などと検索すると、無料で学べるお手本動画がたくさん見つかります。

手の動かし方や筆圧の入れ方まで分かるので、本との相性も抜群。

このように、本と動画を組み合わせると、独学でも効率よく上達していけます!

教室・オンライン講座という選択肢

「一人だと続かない」「直接アドバイスがほしい」という人には、教室やオンライン講座という選択肢もあります。

なぜなら、プロから直接フィードバックをもらえると、自分では気づけないクセや改善点が一気に見えてくるからです。

最近は、自宅で受けられるオンラインレッスンも増えてきました。

カルチャースクールの色鉛筆教室や、ココナラ・ストアカといったサービスで単発レッスンを探すこともできます。

費用や雰囲気は講座ごとにさまざまなので、まずは体験レッスンから試してみるのも一つの方法。

独学に行き詰まったら、こうした”人に教わる”選択肢も思い出してみてください!

まとめ|”見方”と”基本”で、色鉛筆画はぐっとリアルに変わる

ここまで、色鉛筆でリアルに描くためのコツや道具、失敗の直し方までをお伝えしてきました。

ぬり絵っぽさから抜け出す一番のポイントは、「塗る」から「描く」へと”見方”を切り替えること。

そのうえで、薄く重ねる・光と影を意識する・白を残すといった基本を積み重ねていけば、初心者でも立体感のある一枚に近づけます。

最初から完璧を目指す必要はありません。

まずはリンゴやミニトマトなど、身近な丸い果物を1枚、最後まで描き切ってみてください。

描き上げた経験こそが、次の上達につながる一番の自信になります。

肩の力を抜いて、色鉛筆の世界を楽しみながら、あなたのペースでリアルな絵に挑戦してみてください!